身近な例で天下り感覚を持っている人を観察した。
ある人、昭和10年生まれの74歳。
専務から子会社に天下り、二期四年社長を務める。
ここまでで66歳。
そして二年ほどリサーチして、あるNPOに入会。
副会長、会長などを歴任。
そうした関与先を何箇所か持つらしい。
するとその人の生活は関与先の用事で年に二~三回、海外旅行。
月額、あっちから三万、こっちから五万という具合に手当が入る。
交通費はすべて、関与先に請求してしまう。
そして、料亭で昔馴染みと会食もできてしまえる。
肩書きも使える。
「ほほう、会長をされているんですか」「ご立派なこと」
と人に言われるし、家族などの手前もかっこいい。関与先ではそれなりに一目おかれる。
そういう生活がお好きなようだ。家で年金暮らしをしていれば「ただの老人」。それは彼のプライドが許さないのだろう。
だから、そういうおいしいポジションにつくための遊泳術はすごくうまい。
寝業師のように。
で、この人が何かそういうご立派なポジションについて、公正なよいことに尽力しているかというと「はてな」と私は感じる。
天下り族には、こんな感じの人がたくさんいるんだろうと推察する。
我田引水。
自分の豊かな老後のために組織を利用し、君臨しようとする人。
そういう人に税金が使われるのはもちろん反対だ。
その意味で民主党のマニュフェストの「天下り根絶」は支持したい。自民党のマニュフェストも読み込んでどっちを支持するかよく考えたいと思っている。
講演会などて、株式市場や為替の流れを説明するとき、それはやはり、民主党が勝てば日米同盟問題が心配、というような話はしている。
が、けして、民主党を非難しているつもりはないし、悪口を言っているつもりもない。
仕事では株価や為替の流れを推定するために政局も関係してくると説明する。ただ、それだけ。
ひとりの日本人としてきちんと権利行使はしたいと思っている。子孫のために。
天下りの何がいけないか。
民衆はビックバン以降、激しい生存競争の社会で生き抜こうと苦闘しているのに、天下り族は公僕時代に培った人脈、権力を使って私利私欲を獲得しようとする。
そして何より、税金の使いかたとしてふさわしくない。
天下った人はすべて、無報酬で世のため、ひとのために働いてほしい。
自腹、手弁当でガンバってほしい。
年金、退職金など、たっぷりもらったんだろうから。
還元することが大切だ。