梅田望夫さんの『シリコンバレーから将棋を観る』
この本を読み、最近いろんなことを考えています。いろんなヘンなことも。
この本は将棋の話だ、で終わる読者も勿論いるでしょうが、梅田さんの著書を読んできた人間はきっと、自分と照らし合わせながら様々な読み方をするはず。Web業界で生きている人間にもいろんなヒントが落ちていると思うし。
僕が感じたことを少し並べてみると;
・これは決して将棋だけの話ではない
・将棋の世界を極めていくのは兵法や思想を極めるのと同じようなもの
・将棋は時代の縮図であり、戦争論理の縮図であり、経営の縮図である
・棋士のずば抜けた集中力や分析力、想像力を参考にするのは、決して経営者層やビジネスパーソンだけでなく、あらゆる業種、職種、年代にも当てはまる。
・その将棋に新しい潮流が始まっていることをどう解釈するか。将棋以外に。←これが大事。
(ちと飛躍すると・・・ 笑)
・将棋というのは、人間が生きていく中で必要なことを教えてくれる
・将棋の戦略論は、コトラー、ランチェスター、孫子、孟子などに通ずる
・将棋の論理は、孫子級に世界中に浸透するポテンシャルがある。
など。
この本の翻訳に携わるに当たり何度も読み直したのですが、読めば読むほど、翻訳というのは単純に日本語から他言語に変換するのではなく梅田さんの思想を言い換えるという作業なんじゃないか、と思うようになってきました。P.F.ドラッカーの思想が様々な言い回しで本にされていたり、孫子の本が様々な形で訳されているのと同じように。
なんとなくですが、将来的にはこの本(もしくは将棋の理論本)が様々な形で訳されるようになればいいなぁと思っています。いろんな言語もそうですが、別の日本語で言い換えられたり。
ブルーオーシャン戦略理論が出たらすぐに『ブルーオーシャン戦略が分かる本』というのが出版されたのと同じように、『「シリコンバレーから将棋を観る」が分かる本』が出たり、『サルでもわかる「シリコンバレーから将棋を観る」』とか『徹底分析・シリコンバレーから将棋を観る』とか『入門編』『初級編』『中級編』『上級編』とか『将棋から学ぶ人生学』とか『時代は将棋だ』とか『将棋経営学』とか『将棋2.0』とか『将棋進化論』とか『将棋時代を行く』とか(?)
日本が誇る将棋。相手の駒を手に入れ自軍の兵力として再利用するのは将棋だけだそうですが、そういうのは日本人独特の感性が作り上げてきたのかもしれません。
将棋から学べるものは、いろいろありそう。
だったら、それを世に広めていくのは、今を生きる日本人に課せられた任務なのかも。
(かなり妄想中)
Webに生きる人間には必読書だと思います。ぜひご覧あれ。
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