すみません、露地物の蚕豆が今年初だったもので・・・
初物を食べると寿命が七十五日延びるということわざがあります。
今のように一年中いろんな食べ物が手にはいらなかった江戸時代では、初物は新たな生命力を得ることが出来ると考えられていて、尊ぶ風習があったようです。
その年初めて収穫された初物には、他の食べ物にはない生気がみなぎっているので、食べると七十五日寿命が延びるようである・・・という感じでしょうか。
今の季節の旬の走り、蚕豆とアスパラガス、スナップえんどうを合わせた1品です。
スナップえんどうは筋をとる。
蚕豆はさやからだし、皮をむく。
アスパラガスは根元を手で折り、穂先の長さをそろえてきり、茎を斜め乱切りする。
みじん切りしたしょうがを油で炒めて香りを出し、そこにスナップえんどう、アスパラガス、蚕豆を炒れて馴染ませ、塩をふって水を加えて3分くらい煮る。
水とき葛粉でとろみをつけ、豆腐をスプーンですくい入れる。
芽吹き野菜は拡がるチカラが強いので、陰性さを持っています。
冬の間、溜まってしまった老廃物を排出するチカラが強いのですが、少しカラダを冷やすチカラも強いので、葛でトロミをつけてあります。
今日みたいに急に初夏のような陽気になった日には、こういう季節の走りの野菜をとってカラダもさっぱりとさせたい気分になります。
ちなみに・・・
なぜ七十五日なのかというと、土用も一つの季節と考えると、一年は五つの季節となり、大体75日が一つの季節の長さになります。
人の噂も七十五日とも言われるように、一つの季節が過ぎるというのを区切りのように考えられていたようです。
*こちらはあと2席です。