伝言 | 世之介@仙台東口周辺

伝言

1987年2月28日に
最終回を放送した「サタマガ」で朗読した?
ロールだったかな?
よく覚えてない(笑)
「伝言」というタイトルの散文です。

ひさびさに読んだけど
すごいな、これクラッカー

時代を感じますね。

基本的な考え方は今も変わってませんが。

ちなみに
このファイルの最終更新日が
1994年8月7日になっているので
オリジナルとはちょっと違うかも知れません。

原型は1970年代後半に書いたと思います。
ちょこちょこ手直ししてて
1987年2月28日の最終回で発表しました。



【伝言】
神々がそうであったように
人々も又、己れの位置を声高に叫んだ
神々がそうであったように
人々も又、名と心のままに争い戦った
神々がそうであったように
人々も又、古き姿を捨て生まれ変わろうとした
神話、伝説、歴史
語り伝えられた
虚構と真実
神々がそうであったように
人々も又、永遠と無限の狭間に生きた

君は生きてはいるが
まだ生まれていない。
大気は確かに胸に満ちているか?
鼓動が心を震わせているか?
耳を澄ませ。
調べが聴こえているか?
生まれくる生命の香りを
感じているか?
君のこころにいるのは誰だ?

君は君自身であり続ける事ができるか?
君は生きてはいるが
まだ生まれてはいない。
まして目覚めてもいない。

無限と永遠が君にあいさつをする。

歴史との対決を覚悟する。
それが未来だ。
過去だけが歴史なのではない。
未来もまた歴史なのだという
簡単な事に気付かなければならない。

昨日は歴史
今日という名の
対決すべき未来の
始まり。
歴史は連なる
時の足跡

歴史の足元を
人々が支えていたことを
忘れるな
残される名前は
わずかだが
それは人々という名の
果てしない大地に
残された墓標に過ぎない

愚かな人々が愚かな行いをする。
誤解が悲劇を生み
あやまちがくりかえされる。

歴史の結論を
あなたは学び
本当に正しいことを
あなたは知っている。

誤ちをくりかえす程
おろかにはなるな。

知る事を知らぬと言い
知らぬ事を知ると言う
愚かな夢は果てしなく
生まれくるあやまちを知らず
見える者は明らかにし
知る者は悟れ
誰もが歴史を学ぶが
歴史から学ぶ人は少ない。

手にしてはならないものを
手にしている人達に告げる
その手にあるものに
眠りを与えなさい。
それは手にしては
ならないものと誰もが
知っている

これは私のものと言う人達に告げる
あなたの身体でさえも
あなたの命でさえも
あなたのものではない
あなたはなにも持ってはいない
いつの日にか
あなたは知るだろう

殺すな 死ぬな
盗むな むさぼるな

己れを空しく 欲を離れ
心を高く持ち 夢につくせ

誰もが幸せを望みながら
誰もが幸せになれない
そんな世界を正しいとは思うな

同じ地に生きていながら
たった一本の線を境に
違う言葉を話している。
そんな世界を正しいとは思うな

同じ人間でありながら
一人を友と呼び
一人を敵と呼ぶ
そんな世界を正しいとは思うな

この地に敵はなく
ただ戦うべき未来だけがある
あなたは未来にたち向かっていることを
知らなければならない
心から未来を求めよ
未来もまた、人々の到来を待っている

これらの言葉を耳で聞いてはいけない
心を開いて聴きなさい
心があなたに答えたならば
立って行きなさい
行って友に伝えなさい
あなたの名において伝えなさい

誰の名でもなく
あなたの名において
これらの言葉を
あなたの友と
あなたの敵に伝えなさい