虹の向こうへ 35 | 大宮♡じゃないと!

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もうこれ以上は聞いていられない…



震える指でスマホにタッチして、通話を終了しようとした時、

『それは、お前にだろ?』

リーダーがそう言った。

潤くんに?潤くんが?リーダーに?

混乱する。
  


意味が、わけがわからない。 



『おまえの気持ちはわかってるけど、オレは応えられないよ、って、ちゃんと話したじゃん』  


リーダーは珍しく声を荒げている。
声もだんだん大きくなって…



『オレは、にのが好きだって』 



え?

いま、なんて…?

息を飲む。



『好きって、どういう好き?』

『松潤…おまえ、なんかヘンだぞ?
 まさか、飲んでないよな?』

『んなわけないじゃん、フツーだよ』


『だって、あんな真剣に話し合ったのに、なんで』

『あんたの言葉が真実かどうか、確かめたいから』


『真実だよ!』


『じゃ、もっかい聞くよ?大野さん、あんたが想いを伝えたいのは、だれ?』

『…にの』


『なんて言うの?』

『なんて、ってそれは、にのに言うよ』


『ニノが、拒んだら?』

『何回でも言う』 


『ニノが、あんたとおんなじ気持ちでも、無理だって言ったら?』

『言わせない』


『言わせないって、それは何?自信なの?』

『うん、言わせない。言えないようにする』
 

『どうやって?』

『好きだって言って、抱きしめて、離さない。

にのの迷いも不安も全部まとめて引き受けてやる。

そんで、オレの全部、あいつにやる。

今のオレなら、それが、出来る』 


少しの間。

きっと、三人とも、息を止めている。


『なぁ、オレは、にのに会いたいんだよ』



無言…



俺は、ソファで息を潜めて、膝をかかえて、ただ涙が溢れてこぼれて…




『ニノ』
 

はっ、と顔を上げた。


『聞いてるか、ニノ?』

『ちょ、なに?』


『ニノ、誕生日おめでとう!』

『おいっ、おまえ、わけわかんねぇ』


『ニノ、今から、プレゼント届けるから!』
 

プッ…




「切れた…」

はは、と、泣き笑いがもれる。


J、これはダメだよ、反則だ。


こんな演出、台本もリハも無しで、俺、どうしたら…
 

リーダー、叫んでたな。

あの人、全くワケわかってなかったな。


おかしいな、笑ってるのに、涙が止まらない。



J…

プレゼントは、ほんとにここに届くの?



ほんとに……?