躁うつ病(4)今はうまくつきあえる | 横山歯科医院

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[躁うつ病(4)今はうまくつきあえる]

(読売新聞  2009年11月26日)


<一病息災 作家 絲山秋子さん 42>

2001年夏に住宅設備機器の会社を辞めた後、小説を文学賞に応募し始めた。
何本目かの「イッツ・オンリー・トーク」でデビュー。
今では芥川賞作家として、常に連載を抱える。

たまに調子を崩すが、「躁うつとはうまくつきあえるようになり、徐々に薬の
種類や量も減りました」。


今年9月、首の右側にできた神経鞘腫の摘出手術を受けた。
小豆大の異物に気づいたのは6年前だが、5センチほどに膨らんできたため、
医師に診せた。
手術は難しく、声がれや嚥下障害が残るかもしれないと聞いたが、「放って
おいて悪くなるよりまし」と、受けることにした。
幸い後遺症はほとんどなく、徐々にだが快方に向かっている。


自分の病気については、以前から包み隠さず語ってきた。
精神疾患は特に、社会的な偏見が根強いが、小説の題材にも当たり前に使う。
自身のホームページでは、神経鞘腫も含め、治療の経過や日々の体調を詳しく
つづる。
「公表しておけば、周囲に事情をわかってもらえて都合がいい。それに、
病気の人が私のことを知って、『あの人のような例もあるのか』と、前向きな
気持ちになってくれたら、と思っているからです」 





(文・高梨ゆき子、写真・冨田大介)