恋に効く、可能性を秘めた4種の媚薬 | 横山歯科医院

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恋に効く、可能性を秘めた4種の媚薬

for National Geographic News
February 13, 2009


あの花を摘んできてくれ、いつか見せたことのある花だ、その汁を絞って
眠る者のまぶたに塗ると、男でも女でも激しい恋心がわき出し、目が覚めて
最初に見た人に夢中になるのだ。
―― W. シェークスピア 『夏の夜の夢』第2幕第1場より

吟遊詩人の時代のはるか以前から人々は“ほれ薬”を求めてきた。
バレンタインデーほどその需要が高まるときもないだろう。
万能の媚薬などというものは依然として空想の域を出ないが、現在開発の
進んでいる4種の薬に関しては、将来恋に悩む人にとって希望の光となる
かもしれない。



<ほれ薬>
まず、「ほれ薬」はそもそも実現できるのかという点が問題となるが、
それにはある小さな動物が鍵を握っているという。
人間以外に一夫一妻制をとる数少ない哺乳類の一種にプレーリーハタネズミが
いる。
プレーリーハタネズミが生み出すホルモンは、性的魅力を増強し、一雌一雄
関係や営巣行動を促進することが知られている。

これまでの研究により、同じ化学物質が人間にも適用できる可能性のある
ことがわかっており、将来は愛を活性化する飲み薬として市販されるかも
しれない。

アメリカのジョージア州アトランタにあるエモリー大学でネズミなどの
齧歯類を研究しているラリー・ヤング氏は、「このオキシトシンという
ホルモンは人と人との信頼関係を向上し、互いの感情の波長を合わせる効果を
持つと考えられている。したがって、愛をはぐくむ成分の1つとして利用
できる可能性も十分にある」と説明する。



<フェロモン>
異性を引き付ける要素として「フェロモン」という言葉を聞くことも多い
だろう。

1959年、ドイツの化学者ブーテナントらが、動物が発する化学物質による
伝達信号を説明するためにフェロモンという言葉を作り出した。
2009年はちょうど生誕50周年に当たる。

ただし、人間にフェロモンが存在しているのかはいまだ謎である。
それにもかかわらず、インターネット上では性的魅力を高めるフェロモン
効果をうたった製品があちこちで販売されている。
きちんと証明されるまでは、おそらくチョコレートや花の方が安全策だ。



<記憶の消去>
過去の経験が愛の障害となっていることもあるかもしれない。
近年、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関する研究が進展し、いくつかの
実験結果から、悲痛な記憶の精神的影響を対処可能なレベルにまで引き下げる
薬を作り出せる可能性があることが示されている。
ただし、そのような薬が生まれても、特定の記憶を消去できるわけではない。

カナダのモントリオールにあるマギル大学のカリム・ネーダー氏は「PTSDの
場合、あまりにも強い感情により通常の脳メカニズムが圧倒され、記憶を
乗り越えて前に進むことができなくなってしまうのだ」と指摘している。



<女性用バイアグラ>
現在、女性の性欲を増強するといわれるフリバンセリンという薬が臨床
実験中である。
アメリカのサンディエゴにあるアルバラド病院・性機能センターの
アーウィン・ゴールドスタイン氏は「フリバンセリンは基本的に、興味や
関心を増大させる化学物質ドーパミンを増加させる薬だ」と話す。

一方のバイアグラは、「血流に問題がある女性で、テストステロンが通常
レベルであれば完全に機能する。ただし、バイアグラはバイアグラにできる
ことしかできない。結婚相手があなたを放ったらかしにしていびきをかいて
眠るような人であれば役に立たない」。


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