CPAPで顔に変形 | 横山歯科医院

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[睡眠時無呼吸治療用のマスクで顔にわずかな変形]

(HealthDay News  2010年10月5日)


睡眠時無呼吸の治療にしばしば処方されるマスクを長期間使用すると、患者の
顔にわずかな変形がみられることとが新しい研究で示された。
持続陽圧呼吸(CPAP)と呼ばれるこの治療法は、睡眠時無呼吸による呼吸の
中断を軽減するものだが、「長期的なCPAPの使用により頭蓋顔面に変化が
生じる可能性があることが判明した」と、研究著者である九州大学病院
(福岡市)口腔総合診療部助教の津田緩子氏は述べている。

この知見は、医学誌「Chest」10月号で報告された。


研究著者らによると、閉塞性睡眠時無呼吸(上気道の閉塞によるもので、
睡眠の中断が起こりやすい)と診断された患者には、ほとんどの場合CPAP
療法が治療の第1選択となる。
一般に長期使用を目的として処方されるもので、睡眠中に顔全体または鼻に
マスクを着けて軌道に持続的な圧力をかけて呼吸を維持する。
極めて効果の高いことが多いが、皮膚の擦過傷、鼻づまり、口内乾燥
(ドライマウス)、腹部膨満(空気を過剰に飲み込むことによる)などの
副作用があることがわかっている。


今回の研究は、霧が丘つだ病院睡眠センター(北九州市)で2005~2006年に
治療を受けた日本人の睡眠時無呼吸患者46人を対象としたもの。
患者(約90%が男性)はいずれも、2年以上、平均約3年間のCPAP療法を
受けていた。

X線により患者の顔面高、顎の位置および歯の位置について顔の構造を評価
した結果、患者自身が顔の変化に気付いたとする報告はなかったものの、
実際には明らかに変化していることが判明した。
歯弓列および切歯の位置が変化した結果、上顎および下顎ともに隆起の減少が
観察されたという。


しかし、現在のところCPAP によるベネフィット(便益)は顔の比較的
わずかな構造的変化のリスクを上回るものであると研究グループは結論付けて
いる。

津田氏は「さらに研究を重ねることによってCPAPマスクのデザインが変わる
可能性もある」と指摘するとともに、「CPAPを使用する患者は副作用の
可能性について知っておく必要がある」と述べている。


米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク)のJordan S. Josephson博士は、
CPAP全般に対して2つの相反する考えを示している。
「CPAPは絆創膏のようなもの。短期的には優れた治療法だが、睡眠時
無呼吸の原因を解決するものではない。患者は過体重やアレルギー、副鼻腔炎
などの根本的な問題を治療する必要がある」と同氏は指摘し、「さまざまな
理由により、この治療法が多くの患者にとって容易に耐えられるものではない
ことも、長期的に優れた解決策とはならないと考える理由の1つである」と
述べている。


http://www.healthdayjapan.com/


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成人の場合はわずかな変形ですむかも知れないが、小児の場合は深刻で
ある。

(横山歯科医院)

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・「病と生きる:パパイヤ鈴木さん