[肥満の一部はウイルスが原因? 米グループが発表]
(朝日新聞 2007年08月21日)
肥満の一部はウイルス感染によって起きるらしい——。
こんな研究を米ルイジアナ州立大のグループがまとめ、ボストンで
開かれた米化学会で20日発表した。
ロイター通信などが伝えた。
肥満の人は、そうでない人に比べて、風邪や結膜炎の原因となる
ウイルスの仲間>アデノウイルス36に感染している割合が高いと
されているが、感染との因果関係ははっきりしなかった。
研究グループは、美容のために行われる脂肪吸引で得られた人間の
脂肪組織から、さまざまな細胞に変化する能力を持つ幹細胞を出。
このウイルスを加えた。
その結果、ウイルスを加えられた幹細胞の半分以上が脂肪細胞に
変わったが、加えられなかった幹細胞で同様の変化を示したのは
わずかだった。
ウイルスが肥満の原因だとはっきりすれば、ワクチンが開発
できそうだというが、研究グループは「すでに肥満の人には
役立たないだろう」としている。
アデノウイルス36は以前から、肥満との関連が疑われてきた。
米ウィスコンシン大学の研究チームは00年、このウイルスに感染
させたニワトリやハツカネズミが、感染させなかったものより
脂肪を2倍多く蓄積した、という論文を発表している。
http://www.asahi.com/health/news/TKY200708210423.html