12月12日(土)に山手西洋館めぐり(世界のクリスマスツアー)を参加者9名で実施しました。

横浜は幕末・明治の文明開化の時代から、常に新しいものを先取りする窓口です。山手地区は、その出発点となった当時の雰囲気が色濃く残っている場所です。各西洋館は歴史的文化遺産ということだけでなく、様々な建築様式、内装、家具、庭がとてもアート的な空間といえます。今回は、山手西洋館の世界各国のクリスマスの飾りつけのイベントを見ることだけでなく、中華街と元町の名所もルートの中に入れ、横浜の歴史にふれながら山手地区まで街歩きを実施しました。

幸い天気にも恵まれて、多くの場所を見学することができたので、横浜の新たな魅力の発見につながるようなツアーになったのではないかと思います。

<ツアーのルート>
石川町駅北口集合→関帝廟→中華街でランチ→横浜媽祖廟→門の風水解説→代官坂→元町公園→ジェラール水屋敷→リチャードソンの墓→アメリカ山公園→元町貝塚→横浜地方気象台→ブラフ99ガーデン→山手外人墓地→港の見える丘公園→フランス山、領事官邸跡→横浜市イギリス館(イギリス)→山手111番館(オーストラリア)→山手聖公会→ブリキのおもちゃ博物館→クリスマストイズ→山手234番館(ドイツ)→エリスマン邸(オーストリア)→山手80番館遺跡→ベーリック・ホール(カナダ)→カトリック山手教会→外交官の家(ウクライナ)→山手イタリア山庭園→ ブラフ18番館(フランス)→JR石川町駅南口にて解散


ランチの後、横浜媽祖廟前で集合写真です。

以下、ツアーに参加された方たちの感想と写真を掲載します。

<Aさん>
クリスマス時期に山手西洋館を訪れたのは初めてで、どの西洋館でも飾り付けは素晴らしかったのですが、その中でもエリスマン邸はとても手のかかったコーディネートでした。ハプスブルク帝国の女帝マリアテレジアやマリー・アントワネット、皇妃エリザベートをイメージした部屋の演出はとても華やかで、きらびやかな見応えのあるものでした。
面白いと思ったのは山手111番館オーストラリア連邦オーストラリア・ワイルドフラワーで飾った夏のクリスマスでした。夏のクリスマスではバーベキューをするようです。


山手111番館オーストラリア

地味好きの私には外交官の家の家族でのクリスマスの心地よさがコンセプトのウクライナが、そこに家族がいるようなしつらえでお気に入りです。横浜にはガイドが出来る沢山の観光名所がある事がとても素晴らしいと思っています。大事に残していけたら素敵ですね。


外交官の家ウクライナのツリー

<Hさん>
開港当時の外国人居留地の様子や、その影響で発展した目新しい物だらけの元町の賑わいを想像しながら楽しく巡ることができました。 ジェラール水屋敷跡の近くの住宅街の真ん中に、ジェラールが給水業に用いた貯水槽が現存し、今も豊富に湧き出る水の中を錦鯉が悠然と泳いでいる穴場スポットがあるのは驚きでした。


ジェラール水屋敷跡

山手西洋館は、それぞれの国の特色を生かしたクリスマスデコレーションが素晴らしく、特に私の一押しは英国総領事公邸だった横浜市イギリス館です。伝統的なイングリッシュガーデンのイメージをもとに素朴でメルヘンチックな想い出深いクリスマスを演出しています。テディベアや不思議の国のアリスの部屋もあり、リビングには瑞々しいグリーンのアレンジメントとクリスマスプディングを囲むティーパーティーの準備が・・・ クリスマスらしい寄せ植えを飾った窓辺も素敵でした。

 
イギリス館の展示

<Yさん>
ベーリック・ホールがほんの15年前まで、セント・ジョセフ・インターナショナル・スクールの寄宿舎として実際に使用されていたことを知り驚きました。セント・ジョセフ・インターナショナル・スクールは、彫刻家のイサム・ノグチを輩出していたことにも、また驚きでした。パームルームと呼ばれる部屋のつづきに、広い採光のサンルームのような部屋があり、室内であるにも関わらず、ライオンの飾りのついた壁泉という水場がありました。 室内のような屋外のような雰囲気で、ここでお茶しながら読書をしたいなと思いました。クリスマス飾りはカナダだけあって、ナチュラル・ウッディなものすごくシンプルなツリーが印象的でした。シンプルではありますが、子供部屋の飾り付けやテーブル・コーディネートに家族への温かみが感じられました。

 
ベーリック・ホール内カナダのツリー

<Oさん>
今回のツアーで私の印象に残った場所は、外国人墓地の「リチャードソンの墓」。一般開放の土日でもその場所は親族以外入れない地区だそうで、墓地の外から柵越しですが見ることができ有難かったです。横浜美術館の収蔵作品の中に、フェリーチェ・ベアトの撮影した写真作品、生麦事件の「リチャードソン殺害現場」があり、興味を持っていたのですが現認出来て良かったです。幕末の攘夷論が加熱する中、後の薩英戦争のきっかけとなった歴史上でも重要な事件である生麦事件を辿る旅の一つとして尋ねるには有意義なスポットだと思います。


リチャードソンの墓

もう一つは、最近少し歴史的建造物に興味が出てきたので、山手西洋館が誰の設計でどんなデザイン様式かということをこの眼で確かめるのも楽しみでした。「横浜地方気象台」の安藤忠雄設計の増築部分と、アールデコ調の既存施設が外観だけでも確認出来たのは嬉しかったです。内部の見学は平日改めて個人的に行ってみたいと思います。


横浜地方気象台

ベーリック・ホールは、今回巡った洋館の幾つかを手がけたアメリカ人建築家モーガンの設計ですが、だいぶ日も暮れてクリスマスのイルミネーションに彩られたスパニッシュスタイルのファサードが美しいですね。内部落ち着いた内装も印象的でした。


ベーリック・ホールのイルミネーション

<Tさん>
今まで何度も山手西洋館をめぐっているのですが、新しい発見も多く、特に次のようなところが印象に残りました。
中華街口から直接アメリカ山に登るエレベータがあること。 元町に貝塚があったこと。 ジェラールの貯水場の名残りがあったこと。生麦事件の犠牲者の墓が見られたこと。一年中クリスマスのお店があること。山手80番館の遺跡があったこと。
そして、各西洋館が各国のクリスマスの雰囲気が解るように、それぞれ特徴をもった飾り付けされており、楽しめました。また、歴史的な説明も補足していただき、横浜山手がどのような場所だったのかが良くわかりました。


元町貝塚


山手234番館のドイツの飾りと窓辺のもみじ



ブラフ18番館フランスの飾り

<T.Mさん>
ジェラールの遺構をはじめ土木遺産をご案内いただいたことは、西洋館巡りがより奥深いものになりました。また、教会の前を通ってはいても、中に入ったことがなかったので、今回内部の様式の違いが良く理解出来ました。

山手聖公会


山手聖公会内

リチャードソンの墓やアメリカ山公園、フランス山、代官屋敷でのペリーのお話等々横浜の成り立ちを、実感出来たとても有意義で充実の楽しいツアーでした。