DLCの売り方 | ヨコオタロウの日記
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僕は慈善の金持ちを憎む。
その財宝を取られまいとして鍵を堅くかけて深く蔵するけちん坊よりも、慈善家を憎む。
慈善家は我々を搾取し、我々を苦役してだましとって富みをみせびらかして、そのうちからニ三文の施しを投げ与える。

/ ハインリヒ・ハイネ



会社から見える景色。
なんか薄暗くてイイ感じだ。
どうせこのまま生きていてもモテないし、こんな世界は滅べ!いますぐ滅ぶのだ!
とか中学時代は良く思ってた事を思い出した。

というか、今でもよく思うけど。



DLCの売り方について考えてみる。
アンロック型のDLCだと、

 正規製品版 6800円
 アンロックキー 2000円

だとすると「このメディアにはもう 2000 円分のデータが入ってるのに、解除キーだけで 2000円かあ」というムードになるのもわからなくもない。
この気分を払拭する為に、メディアを2種類作って片方は最初からアンロックしているものを売るってのはどうだろう。

 デラックス版 8800円
 スタンダード版 6800円

あれ?なんか許せる気がする。不思議。
しかもスタンダード版のユーザーにもアップグレード権を買えばデラックスと同等になる?なんたるユーザーサービスの良さ!的な。てか windows だこれ。。



実はアンロック型は地球環境に優しい気もする。

くねくねハニィの「最近どうよ?」
http://gamez.itmedia.co.jp/games/articles/0810/31/news075_2.html

にも書かれているように、PS3 とかは体験版のダウンロードがパブリッシャーに課金されるらしい。しかも従量制。
一方の 360 も、パブリッシャーからじゃなくて一部の金払いの良いユーザーから取っているに過ぎない。これは結局のところ、ネットワークのサーバや帯域を確保するには金が必要で、誰かが払う必要があるということ。

アンロック型のコンテンツは、

 ・ネットワーク帯域不要。
 ・サーバー維持費不要。
 ・ユーザーのHDD領域不要。

お金がかからないって分、お金を取る必要も無くなる。
だから、アンロック型は理論上はDL型よりも安く出来る。
地球にも企業にもユーザーにも優しい。

企業がその努力をすれば、の話だけれど。



ただし、ゲーム本編でヒーヒー言ってるような開発会社にはやさしくない。
マスターまでに、本編以外のDLCをディスクに入れこむのは大企業じゃないと無理。
2本分を一個のディスクに入れてマスターってのは技術的には楽だけど、開発工程的には厳しい。つまりディレクターは死ぬ。無理。死ぬ。

そして頑張って入れ込んだら入れ込んだで、イロイロ言われたりするっぽい。

『バイオハザード5』の有料ダウンロードコンテンツ『VERSUS』はアンロックキー?
http://gs.inside-games.jp/news/184/18431.html

「アンロックキーではない」と反論している所を見ると「アンロックと見られるのはイヤだ」という意識がパブリッシャーにもあるんだと思う。
今後は、各パブリッシャーはアンロックはやめてDL型になるのかもしれない。
もしくは容量を増やしてDL型に見えるように振る舞おうとする、とか。



でも結局大事なのは中身なんだろうな。
2000円で大ボリュームのシナリオエピソードを配信しようが、500円で着せ替えコスを売ろうが、アンロックだろうが、DL型だろうが、買ってくれたユーザーさんが満足してくれれば結果オーライ。不満足ならNG。

やっぱり中身について一生懸命考えるべきだ。(考えるだけならタダだし)。
DLC顧客満足度調査、とかあると参考になるのになあ。


DHC顧客満足度調査に見える。 ←上手いこと言ったつもり。