パチンコ業界とゲームクリエイター | ヨコオタロウの日記
ヨコオタロウの日記-002.jpg

ここに溜まっているこの銀玉の一つ一つが……まるで涙……!
散っていった人間たちの……悔恨……怨嗟の涙……その結晶……!

賭博破戒録カイジ / 福本伸行



テレビゲーム開発からパチンコ業界を目指す 楽しく安定した生活を望むクリエイター
http://www.j-cast.com/2009/05/09040796.html

>「ゲーム影像の芝のCGだけを作り続けるだけで、これが何に使われるのかわからない」

200人以上のチームで働いた事なんか無いから良く判らないけれど、芝だけ作り続けるってのはスゴイ。
究極の職人になれそう。

パチンコ業界についてはゲームよりもCG業界の方が直接の変化が大きいらしくて、油断すると全ての仕事がパチンコ映像になるとか。何故か?金がいいから。
ただ、映像業界では

 映画 > ゲーム・CM > パチンコ

的なプライオリティがあるっぽくて「映画は赤字でも引き受ける!」的な話も良く聞く。
ちなみに、ここで「影像」って字はバグっぽい気がするけど何かの比喩だろうか。



経営や管理サイドの話としては「パチンコ事業に力を入れる」という話は良く聞く。ただ、ゲームを作る人間で「ゲームはもうダメだ。パチンコを作りたい!」みたいな話はあまり聞かない。

作る側が嫌う理由は多分二つ。

一つは「賭博なんて汚れ仕事をしたくない」っていう考え方。
個人的には、ゲームなんて仕事も一般から見れば目クソ鼻クソの胡散臭い水商売だと思うから、嫌っても仕方ないと思うけれど。ゲームも昔はやくざな商売だったし、田舎の親戚のおばあちゃんとかのレベルになれば区別すらつかないんじゃないかな。

二つめの理由は「創造性が無い」ように見えるから。
パチンコは規制がものすごくて、およそゲーム性という事に関するほとんどがコントロール出来ないらしい。
パチンコはやらないので良く判らないけれど、ゲーム性に見えているモノ(例えばリーチ後の揃う時のドキドキ展開)があるとしても、それは演出でジラしているに過ぎないとか。
また、映像に関してもオリジナルの世界観で魅せる!みたいな文化はあまり無くて、版権モノやタレントモノが主流になっているのも、制作者を遠ざけている一因だと思う。



とはいえ200人のチームで芝ばっかり作るのよりは創造性はよっぽどあると思うので、今後はパチンコ業界に流れる人も多いかもしれない。

パチンコクリエイター的な存在が出てくるような時代が来れば、状況は一変するんだろうけれど、今のところそういう動きは見られない。今の時代、ネットとかでグダグダ言うような制作者が出てきそうだけれど、何故出てこないんだろう。

他の業界の事は良く判らない。