宇宙で2番目にダメなゲーム企画書の書き方 その10 | ヨコオタロウの日記
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深淵をのぞきこむ者はまた、深淵にのぞきこまれる

/ ニーチェ



これまでのまとめ。
http://www.bukkoro.com/taro/planning.html

このネタを書いてて、自分にとても勉強になっているなーと思いました。

「正しい」
「判りやすい」
「実践的である」

これらが猛烈にバッティングして大変。今は全然できてない。

たとえば「タイトルは大きく!」と書いたとします。
なるほど、これは「実践的」なおかつ「判りやすい」。

でも、何故「タイトルは大きく!」なのか?
根本には人の目に止める為。
じゃあ、あらゆるケースでそれが有効なのか?
いいえ違います。企画の内容や、周囲の状況や、読む人の理解力やセンスによって全く違ってきます……

本来は「対象を考えた上で効果的なデザインを」という思考プロセスを学習する必要があるのに、いきなり「タイトルは大きく!」というルールだけを学んでも誤解を生むだけです。
しかし、プロセスを学習するために冗長な説明を繰り広げて読んで貰えないのは本末転倒。

読みやすいけど、誤解と壁を生み出す「ゲーム企画書を書く為の10のルール」みたいなライトなやりかたをするのか、正しいけど読んで貰えない大学教授が書いたような「ゲーム企画書概論」を書き上げてしまうのか。

そもそも伝えるって何だ?とか。何の為に書いているのか?とか考え始めると、夜の海のような闇が広がっていくばかり。

深い。



薄暗いスタートでしたが今回でレイアウト編も大詰め。
「表紙」です。

レイアウトサンプルはこちら。
http://www.bukkoro.com/taro/u2dgkk/pdfs/sample_080214.pdf

ポイントは以下の通り。

・印象に残るタイトルにする。
・目立つように。

おわり。
タイトル決定に伴い、本文中の説明も若干変更しました(赤字にしてあります)



さて、タイトルは「ガン★サッカー」にしました。
★マークは後から弾痕の絵に変えようと思っております。

個人的な話として「ナントカ・カントカ」というタイトルは食傷気味です。
ま、毒にも薬にもならないタイトルと言うことで。
実際のゲームのタイトルなんて適当に決められているもんですが、一応考えられる要素を箇条書きにしてみます。

まずは、読む人のリテラシーを想像してみる。
「Armed Fantasista」と書かれて、パッと理解出来る人は多くありません。たぶん。
人によっては「腕のファンタジー?」とか言いだしかねない。

「英語」「軍事」「サッカー」それぞれの読解力は別のもの。
なので、どれもなるべく判りやすくて簡単な単語を選んでみました。
あと「GUN★SOCCER」だけだと認識しづらいからカタカナ表記も入れてみたり。
今回のコンセプトは「判りやすい事」。ま、そこそこなんじゃないですかね。



タイトルに関して、他に考えられる戦略をいろいろ。

・極端に長い、もしくは短い。
・ギャグに走る。
・難しい、もしくは意味不明な単語を使って興味を持たせる。
 >「ファム・ファタール」「ラマン」「ICO」みたいな。

ま、いろいろあります。
学生さんだったら周囲の人に、選んでもらうのも一つの手ですな。
その際、なるべく自分とはカテゴリーの違うひとを選ぶのがいいです。



トップ絵の「ネーミング辞典」は、役立つかどうかはさておき面白いです。
見たことの無い方は一度読んでみると面白いかもしれません。



あとですね。「表紙」は就職用の企画書の中で一番大事です。
ま、今回のケース(大手ゲーム会社)のプランナーの企画書なんて膨大な数が送られてくる訳ですから、サッと見てボツ、って事も十分考えられる。

サッと見る、っていう行為がどのようになされるか?というと、段ボール箱に企画書がワーッと詰め込まれてそれをザクザク探すか、デカイ会議室とかでダーッと並べて置いて見るとか。

いずれにしても中を広げて見る訳ではないので、表紙が非常に重要な役割を果たすわけです。
大変だなあ、学生さん。

最近日記に笑いが減ってる事を反省しつつ、今日はここまで。