なんか汚ねえ・・・・!
ずるいぞこいつら・・・・・・!
謝ろうが・・・すまなそうにしようが・・・
とどのつまり・・・・・落とすんじゃねえか・・・・!
賭博黙示録カイジ / 福本伸行
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では第二回。
まあ、もろもろあって書くツールがそろったと。
次は何だ?
面白い企画を一生懸命考える…?
……クッ…クククククッ…まさに愚者の選択…愚行ッ!
あなた方は、ゲーム業界の実態が見えていない……
面白い企画を考えれば、当然のように書類選考を通過するとでも?
甘い…まるで赤子のような無邪気さだ…
そこで私が学生の皆様に企画書の書き方をお教えいたしましょう。
しかも無料で…
何?信じられない?
若き学生の皆様を救おうと、このクルーズ…いや企画を立てた
私が 悪党のはずがない。
学生の皆様に入社して頂きたい一心の、良心的企画でございます
ですが、どうも信用出来ないという方もいらっしゃるでしょう。
引き止めはしません。
どうぞ、自力で企画書をお書きください。
自力で書いて、書類選考で落とされる…
これもまた一つの選択…
止めません
どうぞご自由に…クックククク…
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エスポワール号へようこそ。
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ということで「審査する人に気に入って貰う」為の企画書を書くと。
敵を知るのは兵法の基本。
なので、「審査する人」がどういう人かを分析してみるとしよう。
ゲーム業界にはいろんなタイプの人間が居て、それぞれ評価の軸が異なる。
大雑把に言うと以下のタイプのプランナーが多いように思う。
・ゲーム性が重要だよ派(ゲーム性)
面白くないゲームなんてカスだ、と思ってる人達。
・目新しさこそが重要だよ派(新規性)
それって○○と同じじゃん、が口癖でいつも新しさを探している派閥。
・物語が全てだよねー派(ストーリー派)
とにかく、物語(設定)が素晴らしいかどうかが全て。
・見た目が重要だよ派(グラフィック)
見た目がダメだと全部ダメ!な流派。
・売れるどうかが一番重要だよ派(商品性)
どうやって売るのか?何がウリになるんだ?これは儲かるのか?
他にも細かい宗教がいろいろあって
「一言でウリを言い表せない企画はダメ」
「企画者はプログラムの構造を知っていた方がいい」
「いや、知らなくてもいい」
「雰囲気が重要なんだよ!フインキ!」
「企画書は体裁が重要だ」
「企画書の体裁なんかどうでもいい。面白そうかどうかが重要だ」
「企画書が分厚いのはNG」
「企画書が少ないのはNG」
「企画書は1枚で書けよオラ」
「企画書の基本は、5W2Hだよ。わかってんの?」
「キャラが魅力的で無いと全然ダメ」
「自分がやりたくない企画書は書いちゃダメ」
「自分がやりたくない企画書も書けなきゃダメ」
「ページ番号書いてない企画書はダメ」
「書類はエクセルで書かなきゃダメ」 etc...
こうした良くわからない戒律を皆さん持っていらっしゃる。
当然、複数の宗教が混ざってる場合も多い。
基本的にはその人が持っている属性に合わせた企画書が好まれるんだけれど「シナリオは俺が書くから、新卒にはスクリプト打って欲しい」なーんて人も居るから、同じ属性の人間を採用するとも限らない。
しかも、自分の宗派以外に牙を剥く場合まである始末。
あんまり美麗な書類を作ってしまうと「企画書は見た目じゃねえよ!」とか怒り出す人とか…
めんどくさいなあ。ゲーム業界。
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とはいえ、敵を想定しないことには戦略の立てようも無い。
企画書のバランスを予想する上で、対象企業を考えてみる。
ゲーム業界に就職しようとする人の多くはとりあえずは大手企業を狙うだろう、と仮定。
そこで応募された企画書を選考するのは、人事でも経営陣でもなく実際に企画書を書いているプランナーが担当する事が多い。そして、企業の規模の大きさと個人の職域の広さは反比例するから、
・他の仕事(プログラムとか)と兼務している事が少ない。
・入社の時からプランナー職の人間が多い。
・経営にはタッチしていない場合が多い。
他にも、
・他社に売り込みに行く必要がないので、見た目の高品位な企画書はあまり求められない。
・大量の応募があるから、応募された企画書はサッとしか見ない。
という特徴も持つ、と予想。
もちろん大手企業でも人それぞれ違うから100%正解では無いだろうけれど、とにかく相手を想像する事はサービスをする上で一番大切な事。だからここはひとつ気合いを入れて頑張る。というか頑張れ学生さん。
とりあえず自分なりに、こうした人達が望む企画書のバランスを考えてみた。
ゲーム性 40%
新規性 20%
シナリオ 2%
グラフィック 10%
商品性 30%
100%超えてるけど、気にしない。
企画職が専業化している事をふまえ、「ゲーム性」「商品性」「新規性」の順番にプライオリティを付けてみる。
グラフィックはある程度は欲しいけれど、嗜好が分かれる部分でもあるのでやや低め。
シナリオがやたら低いのはまず読んでもらえない上、評価の軸がバラバラ過なので対処が難しいから。
ここばっかりは博打なので、審査官に気に入って貰える事を祈りつつ今日は終了。
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ここまで企画書の中身の話一切ナシ。
クックック…戦術の前に戦略ですよ、旦那?
今日のまとめ
・ゲーム業界にはいろんな人がいる。
・大手企業のプランナーは専門のプランナーが多い。
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今日は企画書の進捗が無いので、「新卒応募でよくある企画書(文系大学生版)」を作ってみた。
http://www.bukkoro.com/taro/u2dgkk/pdfs/sample_080127.pdf
あくまでイメージ。イマージュ。イマジン。
ゲーム専門学校の人は授業で「企画書制作」授業があるので、もうちょっと進化したカタチになってる事が多いですな。このページみたいな「企画書の書き方」を見る前に、一度自由に作ってみると後で役に立つかもしれない。
立たないかもしれない。