15年前の旅行記 その5 | ヨコオタロウの日記
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私は未来のことを考えない。
あっという間にやって来るからだ。
/ アルバート・アインシュタイン



やー、良かった良かった。アトス山。
何が良かったって、食べ物と寝床がタダな事。
タダってすばらしいなー。

という具合にまったくバチアタリな事を考えながらアトス山を後に。
旅の過程で色々見てきたけれど、いわゆる「エーゲ海/青い海/白い家」っていう典型的な観光地を見てないなーと思い、南下する事に。ギリシャにはいろんな島があるけれど、せっかくだから無名な島がいいなーというヒネくれた意向で「イドラ島」を選択する。

そこは希望通りの海と白い壁の島。
小さくて、海と山しかない。
あとは、海岸沿いのレストランと、お土産モノ屋。
ユースホステルなんて便利なものは無かったので、安い宿(それでもなんだか可愛らしい民家っぽいところだった)に泊まる。

この島のすごいところは、観光資源を守る為&坂ばっかりの為、バイクも車も存在しない事。で、居るのが馬車。
馬車って。

あと、猫。
なんだか島全体で猫を大切にしているらしく、猫がたくさん居る。
エサをたくさん貰っているせいかゴロゴロ寄ってきたりしない。クール系。
しかし人に慣れている上にイジめられたりしないので、そこら中に居る。

そうそう、こんな感じ
http://agapi.blog.shinobi.jp/Category/45/

一回、レストランで飯を食っていたら膝の上に乗ってきてびっくりした。当然、野良猫。
猫好きにはたまらん島だろうなー。

せっかく島に来たんだから、と魚料理を食べてみるが、やっぱり魚は米が合うなーと思ったり。イカとかエビの方がパンには合う気がする。
でも、一人でレストランで飯食ってもあんまり楽しくないですな。話す相手も居ないし。
道ばたで食う方が気楽だ。

ボンヤリするのが良かったので、この島には何日か居た。
観光する人の多くは、島に立ち寄ってそのまま帰る人が多い。
狭いから、長期間居てもやることないけれど。

ある時、海がキレイで崖を降りてボーっと海面を見ていたら、崖の上から「あぶないあぶない」という声が。最初、自分の事を言われてると思わなかったけど、しばらく続くので「俺っすか?」と上に登るとおばちゃんが「あぶないよ、海にさらわれちゃうよアンタ」と言う。親切だなあ。

そうそう、ギリシャの人の多くは英語を喋れる(公用語はギリシャ語)。田舎はそれほどでも無いけれど、観光地や大都市で客商売をしている人のほとんどは通じる感じだった。
キオスクのオバチャンまで英語を喋るのは、日本と違うなーと感じる。

道中であったやたらジェントルなドイツ人少年二人組に「ヨーロッパ人って、みんな母国語以外に英語喋れるのすげーなー」って話をしたら「Roots of language が一緒だからな」って言われた。なんかこの単語は未だに記憶に残ってる。

戻る時の空港で、何かお土産無いかなーと思ったら「オリーブの瓶詰め」を売っていた。
ああ、アトス山で死ぬほど食ったけど美味しかったなあ、と思い購入したら、これが「オリーブのオイル漬け」っていうハードコアな商品。家(というか学校の寮)に戻って一口食ってウヘェと思ったけれど、一瓶食いきる頃にはすっかり慣れてオリーブオイル漬けの方が好みになってしまった。何事も慣れだ。

てな訳で、15年前の旅行記おわり。
いまでも印象に残っているのは貧乏だったことと、野グソと、猫でした。
あれから15年。ギリシャもいろいろあったみたいだけれど、あのときの猫と修道僧は元気だろうか。


ギリシヤ:「GDPの3割は地下経済」と移民
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20071018/137834/