老後の資金について | 家計相談のマイエフピー<横山光昭>スタッフ公式ブログ

こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの田中です。

 

3月に入り年度末でお忙しい方も多いかと思います。

卒業、入学や入社、また定年退職を迎える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

本日は、いずれ誰もが直面する老後のお金に関するお話にふれたいと思います。

 

~生涯可処分所得と生涯支出~

 

一般にサラリーマンの生涯年収は、40年間働いたとして2憶5千万円といわれています。そのうち2割の5,000万円が、年金や健康保険などの社会保障費と税金が控除され、手許に残る可処分所得は2憶円となります。

平均的な4人家族(夫婦と子ども2人)とした場合、結婚費用として350万円、教育費が2,800万円(中学校まで公立、高校及び大学を私立とした場合の2人分)、住宅購入費が3,500万円、と大きな支出をざっと差し引くと手許に残るのは1憶3,350万円。

これを40年で割ると1年で330万円となり、1か月あたり28万円の中から、家族4人の食費、電気・ガス・水道などの水道光熱費、スマホやインターネットを利用するための通信費、車を持っている場合は自動車ローンをはじめ、ガソリンや車検などの維持費などの生活費を支出していくことになります。

そのほかにも、趣味やレジャーなどの娯楽費、急な冠婚葬祭などのイレギュラーな支出もあると思います。

生涯、生活していく中で必要とされる支出を挙げてみましたが、このほかに大きな支出として老後の生活資金があります。

 

~老後、必要な資金は?~

 

金融広報中央委員会のアンケート調査によると、老後の夫婦2人の1か月の最低予想生活費は27万円と公表しています。一方で、厚生労働省が毎年発表している夫婦2人が受給した平成28年度の年金額は22万円。これを見ただけで、老後は年金だけで生活費を賄うのは厳しそうです。

この足りない金額を80歳まで生きた場合を想定して計算すると、定年退職した60歳からの20年間で1,200万円となります。

しかし、この1,200万円という金額は、最低限の生活を維持するための生活費と、年金をしっかり納めた上で受給できる金額での計算です。

また、最近では、「長生きリスク」という言葉をよく耳にするようになりましたが、平成28年の平均寿命は男性80.98歳、女性が87.14歳なので、80歳過ぎてからの生活費は先ほどの金額には含まれません。

そのため、さらに貯蓄が必要となってきます。また、インフレが進み、今の時代での最低生活費は27万円でも、数十年後には27万円では最低水準の生活も送ることが困難である可能性も考えられます。以上のようなことを想定すると、最低でも2,000万円は貯蓄が必要だといえるでしょう。

~30歳・40歳で、毎年または毎月いくらを貯蓄する必要がある?~

 

60歳の定年退職まで、30歳から考えると30年間、40歳から考えると20年間。

60歳までに最低でも2,000万円貯めるとなると、30歳で年66万円(月5~6万円)、40歳で100万円(月8~8万5千円)を貯蓄にまわす必要があります。ボーナス月にある程度まとまった金額を貯蓄するとしても、30歳代・40歳代は、結婚・出産・子どもの教育費等の大きな出費が発生する年代でもあり、なかなか容易なことではありません。

しかし、現在の毎月の収支を見直してみることで、つい使ってしまっている支出(浪費)や契約の変更(格安スマホへの乗りかえ等)で減らせる固定費もあるはずです。

まずは家計をチェックし、毎月の貯蓄の目標額に近づくよう努力してみましょう。

 

~差額は資産運用で埋める~

 

平成30年3月現在、普通預金利息は都市銀行で0.001%、ネットバンクで高めに設定された銀行でも0.02%となっています。現金を銀行に預けていても利息で増やすことは期待できません。

そこで、拠出した金額が所得控除となるため所得税や住民税が安くなり、公的年金にプラスして60歳以降に受け取ることができるよう自分で年金をつくる「iDeCo(イデコ)」や、2018年からはじまった年間40万円・最長20年間までは配当や譲渡益が非課税になる「つみたてNISA」などを活用して、リスクの低い投資商品を購入するのもひとつの方法であると言えます。

 

生活費や教育費などと並行して老後資金も用意しなければいけない時代となり、将来に漠然と不安を感じている方も少なくないと思います。しかし、今できることを一つひとつ対策し準備していくことで、将来に対する不安が少しは軽くなるのではないでしょうか。

 

マイエフピーでは、現在の家計の改善をはじめ、iDeCoやつみたてNISAを活用した資産形成のアドバイスも行っています。

【出典】

■年収(総務省の家計調査 平成28年の世帯年収)

http://data.e-stat.go.jp/dashboard/graph?screenCode=00300

 

■結婚費用(リクルートブライダル総研 結婚トレンド調査)

http://bridal-souken.net/research_news/trend.html

 

■教育費(厚生労働省 大学卒業までにかかる費用)

http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab200901/detail/1296707.htm

 

■住宅購入額(住宅金融支援機構)

http://www.jhf.go.jp/about/research/H28.html

 

■老後の生活費(金融広報中央委員会)

http://www.shiruporuto.jp/public/data/life/stat/stat007.html#01

 

■年金受給額(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12502000-Nenkinkyoku-Nenkinka/0000110901.pdf