小津安二郎「麦秋」の原節子と淡島千景 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
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小津安二郎監督:麦秋(1951)原節子
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麦秋:原節子と淡島千景

間宮紀子(原節子)が幼なじみで医師である兄の後輩、子持ちの矢部謙吉(二本柳寛)に嫁ぐまでを描いたホームドラマ。冒頭、あわただしい朝ご飯の場面では、ご飯を食べるやすぐに家をでるから歯を磨かない。そういえば、子どもの頃朝起きると顔を洗い歯を磨き、それからご飯を食べたっけ。北鎌倉の駅ホームで紀子は後に結婚することになる矢部と一緒になる。矢部は「チボー家の人々」まだ4巻目の半分です。喫茶店では、戦時中「麦と兵隊」を読んでいたなどと言っている。

原節子は1936年『河内山宗俊』撮影中にドイツのアーノルド・ファンク監督の目にとまり、初の日独合作映画『新しき土』のヒロイン役に抜擢される。これは日独同盟の副産物で、原はドイツに招待され舞台挨拶やらで熱狂的に迎えられるが、もちろん政治的な宣伝が働いていたのは言うまでもない。ただ、こうした記事は日本で大きく報じられ一躍スターダムにのし上がるが、帰国後の作品は演技の質を問われ「大根役者」寡黙なところから「高慢」などと叩かれることになる。

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麦秋:淡島千景

女学校以来の親友、割烹田むらの娘田村アヤ役の淡島千景。性格明るくおきゃんな役柄だが、ほんとにキュート。