東京で長年ビルの谷間で生活していると、無性に”自然”が恋しくなります。
実家あたりは、城跡で春は桜と秋は小道に彼岸花が咲いてたぐらいで、あまり
自然を感じませんでしたが、本家の奈良県寄りの菩提寺で2週間泊りがけで
勉強をした所は、当時は、山道を郵便やさんが1日1回登って来るぐらいで、
幻の鳥という仏法僧(ぶっぽうそう)が姿を見せず鳴き、小川で足を冷やし
ながら、涼んだ記憶があります。
ある晩、住職の奥さんが川原へホタルを見に連れて行ってくれました。
ホタルが美しくはかなげに光って舞い飛ぶのを見たのは、あれが最初だったで
しょう。 ☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚**☆*:;;;:*☆*:;;;:
2週間の間に、京都の大学生が障害を持った友人を連れて来たことが
あります。
私は大学闘争のさなか、受験勉強が面白くて「このまま、勉強を続けていい
ものでしょうか?」と相談した記憶があります。
住職に勧められて、私は大学生達と一緒に座禅を組んだことがありました。
徹夜で勉強をしていた私は、座禅の最中に気を失ったことがありました
私が先に山を降りることになって、その大学生が私のボストンバックを持って
くれて、一緒に山を下ってバス停の所まで見送ってくれました。
私達は何も話さなかったと思います。
ボストンバックを受け取る時、大学生の目に涙があふれていました。
貸切状態のような私以外誰も乗ってない田舎のバスの中で、私は「山へ戻り
たい・・・・」と強く思いました。
・・・・私の初恋だったかも知れません。