地に足をつけている感覚を味わう | Yoga Per Tutti

地に足をつけている感覚を味わう

今日は温かな陽気の東京です。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

先日は今年最後の慶応病院で開催されている患者会「ごった煮会」でした。
会には、特定の疾患ではなく、様々な疾患を持った(もしくは過去に持ったことのある)人や家族、そして、医療従事者らが集まっています。

そちらで短い時間ですが、会の最初にヨガをリードさせて頂いています。
先日はまず、「地に足をつけている」のに気づくことから始めていきました。
足の裏の感覚を味わい、自分がしっかりと大地に足をつけていること、大地からエネルギーを頂いていることを感じていきます。
頭ばかりにいってしまいがちなエネルギーを下ろしていき、地に足をつけていく感覚をまず養います。

文字にすると、
「ふーん」
という感じだと思うのですが、このプラクティスを実際に行ってみると、自分がいかに足の裏まで意識を届かせていなかったか、ひいては自分自身に意識が全く向いていなかったかを実感するきっかけになります。

患者会では、ヨガを終えた後、いくつかのグループに分かれ、自分の辛かった想い、また現在進行形での辛い想いを銘々に話していきます。
グループのメンバーは、その話をただ傾聴するだけです。

文字にすると「悲劇のヒロイン/ヒーロー」の会のようですが、そうではないのです。
患者には「ステージ」があって、自分がその状態から抜けるときがあります。(詳しくは会のファシリテーターの加藤眞三先生のご著書「患者の力」などをお読みになるとよりお解り頂けると思います。)
それぞれ異なるステージの患者が一所に集まり、それぞれの想いを打ち明け、聴く。
単にそれだけなのですが、それがそれぞれにとても良い影響を与え合うのです。
辛い辛いと自分だけにしか意識を向けられなかったステージに居た人が、時とともにステージが変わり、自分以外の人へ意識が向いていくようになるのです。

会以外にも色々なアプローチの仕方があるかと思いますが、「ここでしか話せないこと」というのを数名の方がお持ちになり、顔が明るくなる瞬間等を見つけると、この会の存続意義を強く感じます。
私も先日、「久子さん、大丈夫よ!」と励まされてしまい、笑顔を頂いて帰りました。

もちろん患者会ですので、それぞれの体調など、万全でないことは確かです。しかしそれでも毎回皆さんからエネルギーを頂くことばかり。
本年もファシリテーターの加藤先生、重藤会長はじめ、皆様に受け入れて頂いたことに感謝をし、来年も続けさせて頂きたいと思います。