あの頃、私は震災前の最後の神戸の夜景を見ていた。
1月16日の夜、その当時付き合っていた彼とドライブに六甲の夜景を見ていました。
次の日、朝が早いからと言って、帰ったのを覚えています。
朝、たしか5時前に起きました。
バイト先のティッシュ配り担当だったから。
鏡の前で、お化粧をしていたときに、大きな揺れが襲いました。
それはものすごい揺れで、棚の上のものが落ちてきて。
パパもママもびっくりしておきて、私を見に来てくれた。
私は口紅を握り締めたまま、動くことが出来なかった。
落ち着きを取り戻して、私は駅に向かいました。
駅にまっすぐの道沿いに出たときに、大変なことが起こっていることに気付きました。
道には、倒れているものがあったりしたのですが、なにより正面の駅が光を
失っていたのです。
それでも、嘘だよね?嘘だよね??って想いながらも、信じて駅まで行きました。
溢れる人。
私は自宅に帰り、パパとママと起こった大きな悲劇を受け止めるのに、ただ沈黙。
友達、知り合い、思い出の場所。。。
不安と涙が止まりませんでした。
午後にはバイト先へ行ける人は集まり、神戸に住む仲間の安否を
みなで祈りました。
パパは人工透析をしていたのですが、それ以外の日に
神戸に住む親族の手伝いに出ていました。
テント屋を営んでいたので、復旧活動にも励みました。
たくさんの悲しみがありましたが、
より大きな皆の慈悲の心が、たくさんの方々の笑顔を取り戻したのだとも思います。
あの時見た夜景は、いまだに目の奥で輝いています。
そして、今、たくさんの愛がさらに強く温かい輝く夜景を創造しているのだと思います。
久しぶりに、夜景みにいきたいと思います。
この日を忘れません。
その忘れない気持ちと命を大切に想う気持ち、助け合う心を持ち続けること
それが震災によって、失われた命や苦しみや悲しみを経験された遺族の方、
そして大いなる宇宙への祈りになるでしょう。