大平原と白樺林、時折、数キロと線路沿いに続く黄、ピンク、白、紫の、背丈20cm程度であろうか、お花畑が続く。その中を列車は突っ走り、そして思い出したように列車は田舎の中の駅に停車。そしてまた、平原を、白樺林を、さらに高原を、、走って、走って、さらに走る、そんな1日だった。



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乗客は寝台に寝っ転がったり、座りっきりで疲れた身体を癒すように、列車の通路に立って外を眺めたり、会話をしたり。続く、続く、平原と白樺林と白樺林とまた白樺林と、、その中で。



ハバロフスクでは3人が同室となった。

1人は30~35才程の男性、他の2人は55才前後と65才前後の女性。皆、英語は全く駄目な様子。2人の女性は同士の会話で夢中。それでも、その目玉がギョロッとした男性とはポツリポツリと手振り身振りでコミュニケート。男性は4時間後にプレアという駅で、女性連中は遠くイルクーツク手前のウランウデと言う駅で降りるとのこと。実際には男性が下りた時刻は20時間後の朝9時頃だったけど。



清々しい朝が明け、朝食は日本より持参のカップラーメン。列車備え付けの湯沸かし器(サモアール)の熱いお湯を注ぎ、さあ食べようとした時、箸が無い!列車で軽食に付いていたフォークは捨ててもう無い。ニュージーランド マウントクックでは木の枝を拾ったが、列車内では、、やむなくボールペンを使って食べた。一本なので食べ難かったが味は変わらない。でも、同室の寝ている二人見られないようにと急いで食べる羽目に。



朝日がかなり上がった


朝の陽に光る草原

朝の陽に光る林


ボールペンでカップラーメン


朝、男性が降りた次の駅ベロゴルスクで20台後半のスラッとした男性が乗って来た。Where are you from? って、声を掛けられ、私の下手な英語より更に下手だったが、楽しく会話。金鉱山で働いていて⒉週間の休暇で地元に戻るらしい。トヨタのスポーツカーを持ってる話、マレーシアなどに旅行した話、、、など。そうして、トゥィグダという駅でBye Bye



おばちゃん達は相変わらず上段のベットに寝っ転がってペチャクチャしたり眠ったり。



昼に近くなり、食堂車へ。シャコエータというジャガイモと肉入りのスープ。ビールと共に、白樺林に囲まれて優雅な時間を過ごす。最高の一時。旅先ではいつもこせこせとした時間を過ごすが、シベリアの大地の中では鷹揚となるのか、飽きることなく外を眺める。



食堂車で優雅な時間を


列車は走り続ける。平原の中を、白樺林の中を。



平原を走る

平原を走る



途中、停車した駅でホームに降りる、 幾人もの人も。一寸冷んやりとした空気と僅かに聞こえる白樺の葉音が心地良い。

停車した駅のホームでリフレッシュ





車窓より稀に近く見る民家の多くはトタン葺きって感じで、余り裕福とは言えそうに無い外観。勿論、極寒の冬には十分に対応しているのは間違いなかろうが、心配になるほどである。



民家が見える

午後3時頃、スコヴィロディノという地に近くなって来ると、すこし丘陵になって来た。時計の高度計を見ると600m。遠くに高くはないが丘陵、手前はお花畑になった平原と絵葉書さながらの風景も。


お花畑が

遠くに集落が

お花畑が


白樺林とお花畑

何の 理由か列車が停車した時、丁度車窓の前にお花畑、そこにカメラを向けていると気の良さそうなオジさんが声をかけて来た。と、部屋の中かおばさん(奥さん)の手招きがあり、部屋の中での会話になった。中にはもう一人、夫婦とは関係の無い若い青年。

55才のおじさんは鉄道の元警備、奧さんは現役軍人でウラジオストックでの2週間のバケーションからモスクワ近くの町に帰宅中。20才の青年は機関車の運転手。ウラジオストック近くの町から同様にモスクワ近くに休暇を利用して帰省中とのこと。色んなことを話したが、ほんの僅かな英単語を知る奥さんと英語はチンプンカンプンの2人での会話は、それは時間を要したが、これまた楽しいひと時。



その会話中に日が落ち始め、素晴らしい広野を目にしたが、残念ながら写真には至らなかった。食堂がもう直ぐ終わりになりそうなので、断って食堂へ。ロシアの代表的料理ボルシチにパンとびーばぁ(ビール)。美味しい。

ここ食堂車で、カップラーメン用にスプーンを借りようと身振り手振りで頑張って、無事に成功。これで、ラーメンを食べれる。


また地平線に陽が沈む


ボルシチで夕食


丁度その時、列車が大きな駅に停車。乗客が気分転換などにホームに降りているので、降りた。先程の奥さんと青年もいる。停車時間が10分、20分あると、リラックそこにおじさんがフランスパンを持ってきた。売店で買ったとのこと。時間は僅かではあるがありそうなので、我も、って走って購入、動きだす直前の列車にのった。おじさん達は待っててくれたが、驚いたことに、一寸人相の良くないお兄ちゃんが高い列車の階段を上がるのを手助けをしてくれた。


ホームで


駅の売店で買ったピロシキ


傾いた陽に照らされる草原



夕刻、何ちゃら言う駅でビア樽のような髭おじさんが同室となった。フレンドリーで直ぐにWhere are you from?にJapanと答えると娘が金沢にいるという。彼は英語はこれまた僅かな単語しか知らない様子。彼女はどうも通訳をしているらしい。髭おじさん、スマホをいじっていたが、しばらくして、私に出ろって。相手は金沢にいる娘さん。電波状態が悪くって殆んど話せなかったが、綺麗な日本語。何度か掛け直したが上手く行かずに断念。するとSNSネットで髭オジサンにメールが。髭おじさんのロシア語を英語に翻訳し送って来たものである。それに対して私は下手な英語で私の旅行のことを書いたが、それが娘さんに送付された。


髭おじさん、会話中にウエハウスやチョコレートスナックを差し出しどうぞって。遠慮く頂いた。


辛いのは、Wifiの動作が最悪なこと。ネットが殆んどスムーズに動かない。大自然の中、文明の機器は捨て置いて、自然の中に身を任せろってことだろう。


そうこうして今日はウラジオストックより約2300Km、ハバロフスクより西方に約1500Km走り、アマザルという場所に到着した


アマザル到着(時刻表)