純と愛　最終週『いきる』

物語の行く末。

医者からついに辛い宣告が。今できることは今の状態を維持するだけだと。ただ、諦めてないという医者。その後、この状態の愛を病院も置いておけないということで愛は純が連れて帰る事になりました。

そして多恵子らが帰る日。純は3人に愛へ声をかけてあげてくださいと言う。誠と謙次が声をかけた後、多恵子は例の腕時計を純に託す。改めて言うことはないと言う多恵子に『ねむりひめ』を読んであげてほしいと言う純。多恵子が『ねむりひめ』を読んだ後、誠は医者を目指すことを決意し、「”うち”がもうここにいる家族を誰も死なさへん」「愛ちゃんを治してみせる」などと決意表明。

正とあゆみ（蘭）と羽純が働き出す。ホテルのオープンが決まったらすぐに駆けつけるからと。

もう純ら家族もわからなくなっている晴海。メロちゃんと善行が呼ばれるようになった理由を純が当てたことで、善行との初キスの日を思い出した晴海はその日の思い出を語った後メロちゃんを幸せにできなかったと後悔の念も語る。それを聞いた純は自分も伴侶を幸せにできなかったという想いがあるという点で自分も同じだと思うのでした。

折角親友になったから言わせてもらうと言う羽純。みんな言わないけど純ちゃんがやる気になるのを待ってるんだよと。その後やってきた大先、桐野、千香、水野、サト、忍といった懐かしい面々も純を励まそうとするが純はまだホテルをやる気になれない。

純のホテルをおじいのホテルだと思うようになっていた晴海がまたホテルにやってくる。純を従業員だと思って。晴海のリクエストに応えようと、”うれしいひなまつり”の歌を歌ったり出汁巻き卵を出したりする純。しばらくしてキンらが晴海を探しにやってくる。晴海は「ここまた来てもいい？だってここ魔法の国でしょ？」と言って去っていく。

晴海のその言葉に、純は愛君がもし起きなくても笑顔を一つでも多く作っていこうと決める。ホテルを駄目にして愛との愛の軌跡を失くしたくないという気持ちも強く持って。

純はマリヤにホテルのオープンを決めた事を伝え、マリヤがみんなに連絡。みんなは仕事中だったものの、電話を受けてすぐにホテルに集結した。待たせた純を1回「今の仕事忙しいし・・・」と言った後、「ウッソ～」とはめる一同。待たせた罰だと言って笑う一同。

純の決意表明。（ここから純ナレーション）「これからもきっと色々と大変な事だらけだろうけど、私はやっぱり素敵な未来が来るって信じたい。愛君、「信じる」って人が言うって書くんだよね。だから私はどんなに風が吹いても、どんなに雨が降っても例え嵐や洪水になってもとんなに不幸に襲われても苦しさに耐えて血へどを吐き這いつくばってでも生きていく、どんなに寂しくても不安でもどんなに人にバカにされても自分を見失わず明日は晴れると信じ勇気と情熱と希望を持ち続ける、大切な仲間だけは何があっても守ってみせる。絶対に失ったりしない。そのためにもっともっと賢くなりたい、我慢強くなりたい、母のように優しくなりたい、父のように純粋になりたい、兄のように広い心を持ちたい、弟のように自由でいたい、姉のようにたくましくなりたい、おじいのように愛する人に一生を捧げられるような人間になりたい。強い者には決して屈せず、弱い者にはいつでも味方できる人間になりたい。もう下を向かない！自分の出来ることを一日一日やり続ける。自分の家を守る。家族を守る。自分の信じたことを伝える。この世界から笑顔が無くならないように命を捧げる。この空や海に比べれば、私達人間は本当にちっぽけな存在かもしれないけど、でも私達は未来を変えることができる。より良い世界を創ることが出来る。もう、神さまがいても頼らない。奇跡を起こすのは神さまじゃなく、私達人間なんだから！

（ここからセリフ）例え愛君が・・・・この世で一番大切な人が一生目覚めなくても、私は死ぬまで待田純であり続ける！と、決めた。」

ホテルが見えるあの場所で決意表明した純。（その後、テーマ曲が流れる。）

「愛君、あなたが目覚めるまでに必ずここを魔法の国にしてみせる」と言って愛にキスする純。その後少し愛の指が動く。しかも今までより長く・・・・愛の手を握り涙を流しながら少しの希望を持ち見守る純・・・・。

まほうのくに写真館。そこには社長になった純の姿が。修復されたジュークボックスの横に立って。【完】

148話の次々と懐かしい面々がやってくるシーン、150話の後半のシーン全部泣けましたね。そして最終話、希望のある終わり方でとてもよかったと思います。純の決意表明のシーンもよかったですね。純の成長、前向きな気持ち、家族への気持ちなど純の全ての気持ちとドラマで言いたい事が全て詰め込まれているような気がしました。未来は自分の力で切り開くしかないと。

『純と愛』、終わりました。辛いことが次々と起こっても一筋の希望の光を見つけて這い上がる純の姿が愛おしくもありましたね。前半は純がとにかく自分の意志を全面に突き出す展開、後半はおじいのホテルを失ったことでどん底に落ちその後新しい環境で希望を見つけそこで出会った人によって成長した純が這い上がってくる展開という感じでした。こういうところが挫折経験が少なからずある人は響くところかなと思いましたね。実際、今まさに辛い境遇にある人から勇気をもらったというたくさんの声もあったようです。

人生はドラマや映画のように甘くない、辛くても希望を持って頑張ればいつか道は開けるということを遊川さんは言いたかったのかなと思います。いろんな意味で現実的な話でしたね。そういうブレない脚本もよかったなと思います。『カーネーション』とか『つばさ』とか途中脚本がぶれまくって残念な話になったなという想いがあるので。

『純と愛』、正直前半の頃は好きになれない回もありましたが脚本がぶれなかったことで見続けられたというのもありますね。後、後半戦の出演者が前半以上に豪華だったのも更なる期待が持てた理由でしょうか。そして見続けられた最大の要因が、純の成長・各登場人物の成長が見えてきたことです。序盤「・・・はなぜ？」と繰り返していた純が言わなくなったこと、純が人の意見を聞くようになったこと、純の家族が一人前になっていったこと、そういう積み重ねが多恵子のガラスで覆った心を破ったことなど。純が成長するにつれて、純の味方も増えていきましたよね。

『梅ちゃん先生』もよかったですが、『純と愛』もよかったと思います。やはり脚本の一貫性って大事ですよね。2作続けて満足したのは『ファイト』⇒『風のハルカ』⇒『純情きらり』の3作連続以来約7年ぶりです。次の『あまちゃん』も宮藤官九郎さんの脚本なので期待できますね。