プロ野球では、広島東洋カープが、
25年振りにセリーグ優勝しました。
TVには、前回優勝の25年前の映像、
そして、世の中の状況が流れていました。
私自身、25年前、大学二年生。
そんな折、大学時代の友人達と5年振りに会う機会がありました。
年齢も45歳。
人生の折り返し地点も過ぎ、
全員、体型もふっくら、髪も薄め、話題も、健康状態の話。
昔の友達に会うと、「あの当時は、良かった」と過去を振り返ります。
各人、それぞれの人生模様があります。
大学時代、留年してしまったけど、同期で一番の出世頭に。
転職ばかり考えていたのに、なぜだか、人事部の部長に。
すごい遊び人だったのに、家庭第一に。
人生を築く、大きな要因の一つに“性格”があります。
性格とは、生まれ持ったもの。
そう考える人がほとんど。私自身もずっと、そう思っていました。
でも、性格は、大人になってからも、変化し続け、
つくられていくものだと、最近は、考えるようになりました。
私が大学時代の性格は、それはそれは酷いものでした。
当時、アルバイトをしていましたが、仕事に対する責任感はなく、
自分中心で、他人に対する気遣いなど、欠片もありませんでした。
効率よく生きることが善であり、無駄なことをはしないほうがいい。
人の評価ばかり気にして、
自分が楽になりたい、お金持ちになりたい、自由になりたい、
という思いしかなかったのです。
私の性格が変化したきっかけは、
仕事に就き、お客様の対応や、上司、同僚、部下との触れ合いの中、
流石に、お客様や上司の前で、
「責任感がありません」とか、
「他人への気遣いなどありません」などと、
言えるわけはなく、私はずっと“良い人”を演じ続けることにしました。
責任感のある人を演じ、
思いやりのある人を演じ、
人の役に立つことを演じ、
そのために、
弱い人には優しく接し、
引き受けた仕事には責任を持ち、
人の役に立つためには、どうすればよいかを考えてきました。
そんなことを20年以上やっているうちに、
ただそれを演じているつもりだったのに、
確かに責任感や思いやりが芽生えてきたのです。
気がついたら性格が変化していました。
大半の方は、短気な性格の人は、いつもイライラして、すぐに怒る。
大らかな性格の人は、いつも穏やかで、決して怒らない。
そんな風に考えます。
でも実際は、
短気だから怒るのではなく、
怒るから短気になっていく。
性格が温和だと、温和な思考をするようになり、
行動も温和になるのではなく、
温和な行動をすると、性格が温和になっていき、
温和な思考をするようになる。
性格→思考→行動という順番ではなく、
行動→性格→思考という順番。
多分、性格は行動によって作られていくのでしょう。
人に優しくすれば、優しい性格になります。
人に冷たくすると、冷淡な性格になります。
駆け込み乗車ばかりしていると、短気な性格になります。
赤信号を丁寧に守っていると、気長な性格になります。
きっと人間なんて、元々は未熟な存在。
それが行動によって、少しずつまともになっていく。
嘘でもいいから、困っている人を助ける。
形だけでもいいから、知らない人に親切にする。
白々しくてもいいから、時々そんな自分を褒めてあげる。
そういう嘘を繰り返しているうちに、
少しずつ、少しずつ、いい人間になっていく。
死ぬまで優しい人を演じ続けることが出来るのなら「優しい人」
死ぬまで正直を演じ続けられるなら「正直な人」、
死ぬまで男気を演じ続けられるなら「男気のある人」、
死ぬまでカッコいい人を演じられるなら「カッコいい人」。
それでいいのではないでしょうか。
人生なんて、長い長いドラマみたいなもの。
でも、私の妻は、学生時代の自分の方が、良かったと言いますが............