妊婦だったり授乳中だったらどうしますか? | あんなこと。こんなこと。

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以前も引用させていただいた、大場さんのレポートです。

原子力倫理を専門とする研究員の大場恭子さん(東京都在住)がご自身のママ友さん達にメール配信していたものをmixiで公開されたものです。

mixiをやっている方はぜひこちらから読んでください。


■「水道水について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内」(日本産科婦人科学会)より
3月23日に東京都の金町浄水場の水道水に210ベクレル/kg前後の放射性物質が含まれていると発表されたのを受け、3月24日付けで日本産婦人科学会が出した「水道水について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内」の情報をいただきました。
7点書かれており、各概要は
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① 妊娠期間中に放射性物質を含む水を飲み続けた場合の母体被曝量は、
  総被曝量(マイクロシーベルト)=(摂取ベクレル総量)×2.2÷100
 と計算される。今回の場合だと1,232マイクロシーベルト(1.232ミリシーベルト)となる
② 胎児悪影響がでるのは50,000マイクロシーベルト(50ミリシーベルト)以上といわれている。 別途、ICRP(国際放射線防護委員会)では、安全限界を100,000ミリシーベルト(100ミリシーベルト)とする意見もある。これらの違いは安全域をとこまで見込むかとの考えの違いによる。尚、赤ちゃん(胎児)の被曝慮は母体に対して少ないとされており、100,000~500,000マイクロ シーベルト(100~500ミリシーベルト)の被曝を受けても胎児の形態異常は増加しないとの研究報告もあり、「100ミリシーベルト未満の胎児被曝量は妊娠継続をあきらめる理由とはならない」と勧告している。
③ 母乳中に出る放射能活性をもったヨウ素は、母体が摂取した量の1/4と推測されるが、確定的なことはわかっていない。
④ これらを総合すると、今回も報道となった程度の軽度の放射性物質を含む水を連日飲んでも、母体ならびに赤ちゃん、あるいは母乳育児をしている乳幼児に健康被害は起こらないと推定される。
⑤ しかし、胎児・乳幼児は成人に比べ被曝の影響を受けやすいと言われているので、被曝は少ないほど安心である。そのため、汚染していない飲み水が利用できる場合は、それらを飲用することをお勧めする。
⑥ 妊娠中の女性は脱水について特に心配する必要がる。喉が渇いた場合は、決してがまんせず、水分をとること。ズポーツドリンク、ミネラルウォーター、ジュース、牛乳などがオススメです。
⑦ この後も水道水の放射性物質汚染(ベクレル値)には注意してください。①で示した式を利用して、野菜などの被曝量も計算できます。
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でした。
詳細は、本文http://www.jsog.or.jp/news/pdf/announce_20110324.pdfをお読みください。

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■私(大場さん)が妊婦だったり授乳中だったらどうしますか?
もしわたしが今妊娠や授乳をしていたら、放射性物質汚染がどれくらいの期間続きそうか等も含めてのことですが、少なくとも現在の東京での状況であれば、23日の報道時を含め、我が家でほぼ毎日作っている麦茶をはじめ、料理も、いつもどおり水道水で作り続けます。

しかし、その一方で、原子力が専門が故に、私から形態異常(いわゆる奇形)の赤ちゃんが生まれた場合のことについての不安を抱えるでしょう。つまり、形態異常は一定の割合で存在し、またその理由がわかないものが多いにもかかわらず、私から生まれた形態異常の赤ちゃんに対してのみ、まわりがその理由を放射性物質汚染の水道水の飲用に結び付けて語ってしまう事への恐怖です。
よって、今、私が妊娠や授乳をしていた場合、水道水への不安もなく、また自治体へのミネラルウォーターの配布も働いているのに取りに行くのは面倒・・・と思う一方で、もし我が子が形態異常や精神発達遅延症だった場合に社会にでまわるであろう噂への恐れと、かといって、大丈夫と思いながらミネラルウォーターを飲む行動は矛盾しており・・・と、へんなジレンマを抱えて悶々としそうです。
噂が立たないというのであれば、間違いなく水道水を飲みます。

ちょうど別の友人からも今回の事故が原因で、将来、不妊症や奇形児などの問題に直面してしまったらかわいそうとの話を受けたところでもありました。かつて広島や長崎の方が、そのような噂(デマ)によって差別を受け、ある方は結婚の話がなくなったと伺ったこともあります。
住民の方に避難いただくことは、大変に心苦しいことではありますが、大事には大事をとり、あらゆる健康害がないようにとの対応です。
みなさまには、推測で今回の事故と何かを結び付けてしまわない様、切にお願いいたします。

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以上、引用。


この話を読んで、むかし友達から聞いた妊婦とお酒の話を思い出しました。

妊婦がお酒を飲む飲まないにかかわらず、一定の割合で先天性の病気(奇形)を持ったこどもは産まれてくる。

いくらお酒を一滴も飲まなくたって、いくら「完璧」な生活をしていたって。

「一定の割合」を恐れていては妊娠なんてできない。

とても確率はひくいけれど、それでも、もしものときに。
自分が、まわりが、どう思うか。

特に今回は、放射能だ。

先天性の病を持つこどもが産まれる割合は
原発の事故の影響がない、遠く離れた地域と変わりがなくても
ひとびとは、事故と結び付けて考えるかもしれない。

これも風評被害。

そんなことが起こらないよう
そして、はやく日常を取り戻すことができるよう

こころから祈ります。