直腸異物 | 外科医ライフ

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ツイッター外科医のちょっとイイ話 Season2
ありがちな外科医ライフを気の向くままにつづってます。

先日、中国であった話ですが、

酔っ払ったあげく
生きたウナギをいたずらで
肛門から直腸のなかへ
挿入された男性が

その後、直腸を噛み切られ
おなかの中(腹腔内)に
ウナギが侵入し開腹手術を
受けかろうじて一命を
とりとめたという
事件が報道され話題を呼びました。


直腸というのは肛門すぐ
手前の大腸の一種で
全長約20cmの長さと
約200mlの容量があります。

したがってここには
さまざまな異物がひっかかる
ことがあり、それを医学的には
直腸異物と呼んでいます。

異物の種類としては
誤って飲み込んだ
魚の骨や義歯などが
ありますが、

直腸から挿入する場合には
非常にバラエティに富んできます。

ヒトに言えない趣味を
お持ちの方や
痔でお悩みで
特殊なマッサージを
していたりとか
それこそ
色々なのですが、

ビン、野菜、果物
バイブ、鉛筆、人形
などなど
サイズさえあえば
何でもありです。

ツイッターでは
ウルトラマンがでてきたり
ビール瓶がでてきた
とかつぶやいて
いたひとも
いましたね。

当直などしていると
たまにこういう
症例に遭遇するのですが

ときには全身麻酔など
のうえでないと
摘出できないことも
あり意外にやっかいです。



ところで、話はちょっと
変わりますが、

排便は肛門括約筋という
筋肉によって調節されますが
内側の筋肉は自律神経の支配ですが
外側のそれは自分で調節可能です。
要するに括約筋の開け閉めは
自分で調節可能であるという
ことです。(図参照)

ツイッター外科医のちょっとイイ話


したがって慣れると
この直腸を生体
ポケットとして
悪用するヒトが
でてきます。

本当に
そんな変態な輩が
いるのか?

います。

それは服役囚です。

かれらは看守に
みつからないように
ものを隠すため
直腸の中に隠したり
します。


投獄される際に
囚人が
肛門の穴まで
チェックされた
というのはおそらく
そのためなので
しょうけれど。