地方在住外科医Yujoのブログです。
地域医療の現場からお届けします。


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2013-08-19 00:00:00

キッズ外科セミナー

テーマ:イベント
「外科医は今や3Kと噂され
年々希望者が減っておるのだが、
どんな対策ができると思うかね。
Yujo君?」



かつて
先代の教授からそんな質問を
投げられた。



「ええっと、やっぱ飲み会を増やすとかでしょうか。
美味しいお店に何度も連れてってあげるとか。
実際、僕も・・・」



「甘い!
みんなそんな考えだから
事態が改善せぬのだよ。」



核心を突いたときの
教授の眼光はとにかく鋭かった。
温和な日常の姿とのギャップに
思わず後ずさりする
Yujo。



教授は説明を続ける。



「ほら、
昔ブラックジャックって漫画あっただろ。
あれを読んで外科医にあこがれたやつ
多いんじゃないか?
とにかく外科を知るきっかけが今の世の中に
ないのだよ。だから作ろう。」




「ブ、ブラックジャックですか?
あれは確かニセ・・」



野暮なことを言いそうになったのを
ぐっとこらえ準備に取り掛かった。
しかし教授からまさか漫画の話を振られるとは
思わなんだ。



キッズ外科セミナーと名前がつけられ
細かな構想を立て
そして何とか第一回目にこぎつけた。



初回ということで
近くの中学生に集まってもらった。




ブラックジャックをモチーフにした
ポスターは案外と生徒さんたちに評判よかった。
ツカミはOKだ。さすがは教授!




担任の先生に引率され
礼儀正しく初々しい彼らは



その後、
緊張の面持ちで実際の
術衣をまといマスクを付け、



そして
僕らの指導のもとに
豚肉を電気メスで切開し


手術シミュレーターに
熱心に取り組んでいた。



彼らの瞳は輝いていて、
終わってみると
清々しい気持ちにはなった。



小さな一歩だった。



「これを全国でやれたらイイネ!
Yujo君。」



こともなげに語る教授。



"この一日がかりのセミナーを
するために
これから僕らに全国行脚の旅が
待ち受けてるのだろうか?"



そうではなかった。



このひとつの取り組みを学会で
発表したり、
メディアに取り上げられていくうちに、
共感をよび



全国各地の外科医が
同様の取り組みを行うようになり
最近では毎日のように地方紙などで
みかけるようになったのだ。



他県でこのセミナーへの参加をもとに
外科医になる決意を固めた子供さんが
実際にいるという話も耳にした。



教授はすでに引退されて
おられるが、



10年ほど前に撒いた種が
社会に少しずつ拡散している。




子供たちのピュアな心の中に
外科医を目指す志が
わずかでも芽生えていくことを切に願う。


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