脳出血 | 中国の果てで理学療法

中国の果てで理学療法

2013年 青年海外協力隊参加
中国で理学療法士として活動中

今回は脳出血について書く。



脳出血は出血する部位によって3つに分けられる。



脳は頭蓋骨に付着する軟膜、その内側に表面張力でくっついているクモ膜、脳の実質を覆う硬膜によって覆われている。





髄膜


軟膜の下の脳実質内なら①脳内出血、クモ膜の下なら②クモ膜下出血、硬膜とクモ膜の間なら③硬膜下出血である。


 脳内出血

主な原因は高血圧である。高血圧が長期間続くと脳の中の細い血管の壁が少しずつもろくなり、壁の一部が膨らんで小さなコブ(微笑動脈瘤)ができる。



それが破裂して出血するのが脳出血である。


脳出血の病態は出血した血液が固まってできた血腫が直接脳実質を破壊する。


また、二次的に脳浮腫や循環障害による脳損傷が加わる。



症状は部位によって異なるが、突然の頭痛、吐き気で始まり、片側の手足の麻痺が起こる。大出血の場合は意識消失が起こる。



脳内出血の大部分は被殻や視床と呼ばれる内包にできやすく、78割程度占める。


脳出血部位



脳出血の後発部位


※視床症候群とは視床痛と呼ばれる体側の疼痛増加、視床手と呼ばれる変形のこと





脳幹は、生命を維持する上で非常に大切な場所であるため、生命予後は非常に悪い。





診断には①高血圧の病歴②発症形態の特徴【突然】③神経症状の出現④頭部画像より判断する。





治療としては①肺炎の予防②脳浮腫の予防③高血圧の治療④外科的治療が行われる。





外科的治療に関しては血腫が小さい場合は行わず(一か月程度で自然吸収される)、また脳幹部に関しては、一般的に手術は行わない。





リハビリに関しては、十分なリスク管理のもとできるだけ発症後早期から積極的なリハビリを行うこと推奨されている。【脳卒中ガイドライン2009年より】


発症後24時間血腫増大や水頭症発現がないのを画像で確認したのちに開始する。



しかし、再出血のリスクもあるため、バイタルや意識等に留意しながら進めなければならない。