サッカーをやめなかったから。
その男は、幼少の頃から何よりもサッカー好きでした。
もちろん、ただ好きなだけじゃなく上手かったのでしょう。
ただし、全国レベルではありません。
小中高とそこそこ活躍はしたようですが、Jリーグからお声がかかるような活躍ではありません。
Jリーグどころか、大学からもお声がかかりませんでした…
まずそこで、第一線でのサッカーは普通なら諦めると思います…
しかし彼は、諦めませんでした。
大学でもサッカーを続けたい為に、受験勉強をし一般入試で中央大学文学部に入学しました。
関東一部リーグの大学ですから、恐らく周りは全国的な活躍をして推薦入学してきた連中だらけだったでしょう。
しかしそんな連中を押し退けて、3年生の時に2部落ちしたチームを、4年生の時に主将として１部に復帰させています。
ですが、しょせん2部での活躍です…
Jリーグからお声がかかるような事は、ありませんでした…
川崎に入団出来たのは、大学の顧問がコネを持っていたからだそうです。
そこで何度か練習に参加させてもらい、入団にこぎつけたそうです。
中央大学の体育会サッカー部のキャプテンですからね…就職口は、いっぱいあったでしょう…
当時の川崎は、J2の中堅クラブでしたし…
何故彼はそこまでして、プロサッカーになりたかったのでしょう…
それは…
サッカーが本当に、好きだからなのでしょう。
夢であるワールドカップに、出たかったからでしょう。
冒頭のセリフは、代表に初選出された際に言ったそうです。
小学生や中学生の時に日本一になったって、そのレギュラー全員がワールドカップに行けるわけいですもんね。
諦めず、ずっと練習してきたから、道が開けたのでしょう。
彼とは、もちろん中村憲剛です。
去年の活躍で本戦間違いなしと言われていた中での顔面骨折で心配しましたが、無事に代表に選ばれました。
やっぱり、諦めなかったから予定より早く完治したのでしょう。
生まれつきずば抜けた能力を持つエリートだけしか成功しないという事は、決して決してありません。
やめない事…
決して諦めないから、道が開けてくるのだと思います。
憲剛の事ですから、メンバー入りしただけでは、満足してないでしょう。
普通の人間である彼が活躍する事が、我々のような一般市民に夢を与えてくれます。