東京家族 2013年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

監督: 山田洋次
脚本: 平松恵美子
音楽: 久石譲

 

キャスト

平山周吉  :橋爪功
平山とみこ :吉行和子
平山幸一  :西村雅彦
平山文子  :夏川結衣
金井滋子  :中嶋朋子
金井庫造  :林家正蔵
平山昌次  :妻夫木聡
間宮紀子  :蒼井優
沼田三平  :小林稔侍
かよ     :風吹ジュン
服部京子  :茅島成美
平山実   :柴田龍一郎
平山勇   :丸山歩夢
ユキ    :荒川ちか

 

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=VQjiqxx3rNw


 

あらすじ
瀬戸内海の大崎上島に住む平山周吉、とみこ夫妻。周吉の同僚だった服部が昨年亡くなり、その葬式に出られなかったため、線香だけでも、と東京に出て来る。それは口実でもあり、三人の子供の様子が知りたい。
次男の昌次が迎えに行くが品川での待ち合わせを間違えて東京駅に。車はボロボロのフィアット。
昌次を待たずに二人はタクシーで長男幸一の家へ。開業医の幸一と妻の文子。孫が二人。
長女の滋子は美容院を経営し、夫の庫造はその手伝い。

翌日は幸一一家で東京見物に連れて行く筈が、かかりつけとなっている家の子供が発熱し、中止になってしまう。
止む無く、老夫婦は長女滋子の家に。だが翌日は雨で、二人は美容院の二階で無為な一日を過ごす。
見かねて周吉を駅前温泉に連れ出す庫造。
滋子は親の相手が出来ず、それを昌次に頼む。

 

翌日両親をはとバスに乗せて東京見物をする昌次。昼食に立ち寄ったうなぎ屋で昌次の仕事の事を聞く周吉。「舞台美術」と答えるが要するに演劇の大道具係。定職に就いていない昌次に対して厳しい周吉。

一方滋子は自宅で町内会の寄り合いを行う事もあって、両親をホテルに泊めようと幸一に相談。だが連れて行かれても、何もやる事がなく、フルコースの食事も田舎者にはむしろ苦痛。

 

二泊の予定だったが結局一泊だけで滋子の家に戻る。その途中でちょっと立ちくらみをするとみこ。
滋子の家に戻ると、計画が狂ってしまった滋子は、寄り合いで人が来るからここに居られては困ると冷たい。

 

周吉は同僚だった服部の焼香に行き、その後旧友の沼田宅に泊めてもらうつもりで家を出る。とみこは昌次の家に行く事とした。
沼田と待ち合わせ、服部宅で焼香を済ませた周吉。その後沼田のいきつけの居酒屋「かよ」で飲む。おかみが、亡き妻に面影が似ているのだと言う。酒を止められていた周吉だが、しつこく沼田から勧められるうちに飲み過ぎてしまう。泊めてくれと沼田に頼むが、息子の家で肩身が狭いため、それは無理だと言う。

深夜にタクシーで滋子の家にたどり着いた周吉。店の中でゲロをぶちまけて大騒ぎを起こしていた。
昌次の家へ行ったとみこ。昌次が連れて来た紀子を一目見て気に入る。夜遅くまで三人で話し込んだ。昌次が、紀子の事は母さんから言ってくれと頼むが「それは自分で言いなさい。応援はする」と言うとみこ。
翌朝様子を見に来た紀子に、昌次には内緒だと言って金を渡すとみこ。

 

幸一宅に連れて行かれた周吉のところへ上機嫌で戻るとみこ。だが二階に上がる途中で倒れた。
救急車で運び込まれたが、意識を回復せずMRIの状態が悪い。知らせを受けて駆け付ける昌次と紀子。
結局とみこは未明に亡くなった。
明け方、病院の屋上で一人佇む周吉。呼びに行った昌次に「おい、母さん死んだぞ」。

 

火葬は東京で行い、本葬は島で行われた。犬の世話を頼まれていたユキが声を上げて泣く。
同居しようと言う幸一に「島で暮らす」と断る周吉。隣りの家族が面倒を見てくれると言う。
仕事を持っている幸一と滋子は葬式が終わると帰って行き、後を昌次と紀子に頼んだ。その四日間、紀子に一言も話さない周吉。

これで帰るという時、あいさつする紀子に、周吉はとみこの腕時計を握らせた。

島での日常が戻る。犬を散歩に連れ出すユキを、足の爪を切りながら見送る周吉。

 

感想
今年公開となった「家族はつらいよ」のプロモーションの一環としてTV放映されたもの。
以前にもTVでやっていたが、あらかた忘れていた。
老夫婦が子供たちを訪れる中で起きるドタバタ。さすがに小津の「東京物語」をトリビュートしているだけあって「寅さん」みたいな笑いは封印されているが、やはりそこはそれ、ほのぼのとした気持ちを持たせてくれた。

一番のシーンと言えば「母さん、死んだぞ」と父親が言った時、「うん」と言って何とも言えずクシャクシャになった昌次の顔が忘れられない。
また、出演者の中では西村雅彦が極力シロウトらしい演技になる様意識していたと思う。