「ホテル・ルワンダ」 2004年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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$You Can Fly-RWANDA


ホテル・ルワンダ

監 督:テリー・ジョージ   Terry George
出 演:ドン・チードル    Don Cheadle   ポール・ルセサバギナ
    ソフィー・オコネドー Sophie Okonedo タチアナ・ルセサバギナ
    ホアキン・フェニックス Joaquin Phoenix ジャック・ダグリッシュ
    ニック・ノルティ   Nick Nolte     オリバー大佐
    デズモンド・デュベ  Desmond Dube  デュベ
    デヴィッド・オハラ  David O'Hara   デイヴィッド
    カーラ・セイモア   Cara Seymour   パット・アーチャー
    ファナ・モコエナ   Fana Mokoena  ビジムング将軍
    ハキーム・ケイ=カジーム         ジョルジュ・ルタガンダ
               Hakeem Kae-Kazim
    トニー・キゴロギ   Tony Kgoroge   グレゴワール
    ジャン・レノ     Jean Reno     (クレジットなし)


ルワンダの高級ホテルで働く雇われ支配人のボールが、内戦の勃発した中で1200人もの人々を助ける。実話に基づくドラマ。

元々は、娘が高3の頃観て「すごく感動した」というのをたまたま思い出し、何の気なしに借りたもの。
外見が僅かに違うだけのフツ族とツチ族。それが軍部の誘導によりフツ族がツチ族を大量に虐殺する内戦に発展。

ポールはフツ族であり、妻のタチアナはツチ族。隣人がツチ族としてリンチ、暴行されるのに目を背けるポール。彼はホテル運営でも軍部の将軍らに賄賂を贈って関係を保っていた。
隣人は助けを求めてポールの家に集まり、彼らを助けた事がきっかけとなって、ホテルに避難者らをかくまう事になって行く。

実話であるという部分で確かに圧倒される。目の前でバタバタと人が殺されて行くのを見て、急速に追い詰められて行くポール。
平和維持軍として駐在している米、英、仏軍らといえども、内政干渉のトラブル発生を恐れて、発砲してまで避難民を救う事が出来ない。

ポール一家とホテルでかくまった人らは、数々のピンチを切り抜けた後、難民キャンプまでたどり着き、そこからタンザニアへ脱出するところで映画は終わる。

確かに感動巨編だし、100万近いとんでもない虐殺の事実を世界に伝えるという点で、作るべき映画ではあったが、あまりにもドラマチック過ぎて、却って実話の重みを損なっている感じがした。

ポールがホテルの本社にTELして、出た相手がジャン・レノでは、いかにも「映画」という現実に引き戻され、またそれが絶妙のタイミングで軍部の連中を退散させるところは「玉やァ」という演出ではあるが、ある意味シラけた。

挿入される数々のエピソードも、そんなに都合良く行くわけないじゃん、というものの積み重ねであり、社会派とはいえ「エンタメ」のノリだったのはやや残念。

そういう意味では同じ実話でも「アポロ13」はNHKでやったドキュメンタリー番組との対比でもほとんど違和感ない構成であり、トム・ハンクスも極力個性を消していい出来だった。


ただ、オープニングとエンディングに流れる子供らの歌声は、胸に迫るものがあった。