「短編集:檸檬」梶井基次郎 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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1901年生まれ。中学時代から文学書に親しみ、高校時代には漱石に傾倒。肋膜炎で入院し、以後彼の宿病となる。同人誌「青空」を仲間と共に創刊。そこでの発表が活動の中心だったが、当時の文壇は充実しており、注目される事は少なかった。1932年に病死(享年31歳)。


この短編集には20編が納められているが、短いものは3ページ、長くても30ページ程度。凝縮された文は繰り返し読む事で味わいを増していく。「静謐にして澄明」という書評がぴったり来る。
これは、と思う一冊を繰り返し読むことで見えてくるものもある。それは時間のムダ、ではない。

 

「桜の樹の下には死体が埋まっている」という表現は梶井のもの(「桜の樹の下には」)。