「亡国のイージス」 2005年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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原作:福井晴敏(「亡国のイージス」講談社刊)
監督:阪本順治
脚本:長谷川康夫/飯田健三郎
音楽:トレヴァー・ジョーンズ
出演  真田広之 寺尾聰 佐藤浩市 中井貴一


東京湾沖で訓練中の海上自衛隊イージス艦「いそがぜ」が某国の対日工作員、ヨンファ一味に乗っ取られる。副艦長の宮津はその乗っ取りに加担していた。先任伍長の仙石に、犯人が如月一等海士であると告げ、乗務員を艦から退去させる。ヨンファは特殊兵器「グソー」を艦内に持ち込んでおり、政府に要求を突きつける。


この前の「ローレライ」の事があるからちょっと心配だったけど、今回は構築がまともだろうという事で観に行きました。公開2日目だけど、今日はちょっと出遅れたので席が前から3列目(キツかった)。
某国の対日工作員が、自衛隊幹部に接触して反乱をそそのかす。その理由が息子の死であるというのが、ちょっと説明不足。映画では話の後半でそれが理解される。また政府側の特殊工作員・如月もかなり説明不足で、なぜ最初に爆薬を仕掛けて対立しようとしたのかが、微妙に食い違った。結局如月の動きを阻止しようとした仙石が、何かマヌケな役柄になってしまい、その後の活躍でも「何だかナー」という印象。


多分原作では、戦後60年間、一度も戦争を経験せず単に経済成長のみ突き進めて来た日本というものの甘さ、その中での自衛隊のこれまた中途半端な位置付けについて弾劾したかったのだろう。
中井貴一演ずるヨンファの言葉にそれが現れるが、その舞台装置である「GUSOH」という特殊薬品の扱いがいい加減。ミサイルにセットするでもなく、後半ではヨンファがロッカーから持ち出してそれをみんなで奪い合う。この辺り、何か「ロック」のパクリっぽくて少しシラけた。
クライマックスシーンで、仙石が「GUSOH」を確保した事を手旗信号で発信、それを衛星画像で確認して攻撃中止にしたところは、さすがに失笑(をいをい…・)
最後の「いそかぜ」爆沈もかなりあっけなくて、尻すぼみの感がありました。


エンタメに徹するなら「ダイハード」や「ホワイトアウト」みたいに究極のサバイバル的な活躍を打ち出し、乗っ取りとか人物間の軋轢とかは、もっと整理した方が良かったと思う。
まあ「ローレライ」よりはまともだったけど、原作を読んだ方がイイかな?