「氷壁」 井上靖 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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若き登山家、魚津恭太。サラリーマンではあるが、その道では多少知られた存在。親友の小坂乙彦に呼び出されるが、そこで美貌の人妻、八代美那子に出会う。
美那子のふとした誘いから、乙彦がのめりこみ、結局その調停役を魚津が背負わされる。納得した乙彦。彼らは2人で冬の奥穂高新ルートに挑むが、そこで事故が発生する。


「切れたナイロンザイル」。当時、軽くて万能と言われていたナイロンザイルの弱点を題材にして描かれたこの小説は映画化もされ、小説さながらの公開実験もされた様だ。小説では、実験を行ってもザイルは切れず、同行した魚津の立場が微妙な状況となるが、彼は一切弁解をせず沈黙を守る。
事故の後、魚津に次第に想いを寄せる美那子。同じく彼に惹かれていく、乙彦の妹かおる。美那子に惹かれながらも、かおると共に生きる決心をする魚津。
だが、かおるを山小屋に待たせ、落ち合うために向った山で彼は命を落とす。


この人の作品は長編でも比較的サラサラっと読めて、あまり記憶に残らないという印象があったが、これは何か心に引っ掛かるものがあった。

でもこの美那子さんてーのも、ちょっとイカンぜよ。

誘われたら、やっぱ男は弱いもんナー(汗)