「海と毒薬」 遠藤周作 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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気胸を患っている男が、引越し先の開業医に通い始める。ひょんな事からその開業医が戦時中に起こした事件のことを知る。
その医師、勝呂は米国人捕虜を使った生体実験に助手として参加していた。勝呂を始めとして、それに関わった人間たちが生体実験に引き込まれていく過程が淡々と綴られていく。

若い頃に読んでいた。ストーリーはほとんど忘れていたが、たまたま「BOOK OFF」に立ち寄った際、目に止まって思わず買ってしまった(100円)。

医師としての感覚が次第にマヒしていくのを恐れる勝呂。幼少の頃から大人に迎合する術にたけ、成人してからも倫理面で欠落のある戸田。

この2人を軸に話が進んでいく。
10歳で父母が離婚。カトリック信者だった伯母の影響で教会に通った事が、氏の持つカトリシズムの原点。
狐狸庵先生、「ぐうたら人間学」に代表される軽いものは一切読んでいない。