監督 アンドリュー・ニコル
出演 ヴィンセント:イーサン・ホーク、ジェローム:ジュード・ロウ、
アイリーン:ユマ・サーマン
遺伝子工学が非常に発達した近未来。赤ん坊は生まれてすぐ検査により病気のリスク、知能、寿命予測まで出来る。遺伝子操作により優れた子供を産むことが出来る状況で、自然な環境で生まれたヴィンセント。
心臓に障害を持ち、遺伝子的に劣るというレッテルを貼られて育っていく。弟は遺伝子操作をされて生まれ、全ての面で兄に優っている。
宇宙に夢を抱くヴィンセント。「ガタカ」という宇宙関連の組織に入社しようとするが、遺伝子検査ではねられ、清掃員としてしか採用されない。
そんな時に、遺伝子をネタに裏稼業をしている男と知り合う。優れた遺伝子を持ち、水泳の選手だったのが、交通事故に会って下半身不随になったジェロームを紹介される。血液、尿、唾液。あらゆる方法で遺伝子構造がチェックされ、個人の特定ができてしまう。
それらを様々な方法で切り抜け、ジェロームになりすまして「ガタカ」に入社するヴィンセント。念願の土星への出発を1週間後に控え、事件が発生する。
これはSFと言うのだろうか?と言うほどサイエンスの表現が少ない映画。
遺伝情報に差別されているヴィンセントと、事故のために夢を剥奪されたジェローム。
自分を偽るヴィンセントも悲しいが、自己の生活維持のため彼を入社させ、チェックをごまかすための血液、尿などを提供するジェロームの苦悩。
ヴィンセントと弟との確執もていねいに描かれ、やや異質ではあるがいい映画と思う。ヒロインのユマ・サーマンも、ちょっと昔の女優みたいで軽いよそよそしい雰囲気がマッチしている。
ただし、宇宙船はただの光跡しか出てこないし、最終の出発場面でもスーツにネクタイ姿での出航は、さすがに「おめえ、そらー手を抜きすぎだ」と言いたくなる。