6月1日、全国927ある観測地点のうち、404か所で30℃以上の真夏日を記録。中でも群馬県館林市や岐阜県揖斐川町では全国での最高気温となる36.3℃を観測したほか、35℃以上の猛暑日となった地点は、東海や関東を中心に27地点にも及んだ。さらに6月3日、北海道の十勝地方で37.8℃の観測史上最高気温を記録した。

 まだ6月になったばかりだというのにこの暑さ。その原因を、気象予報士の増田雅昭氏はこう説明する。

「5月下旬から6月上旬にかけて、例年、南の太平洋側から暖かい空気が流れ込んでくるんですが、今回はそれに加えて、西側からかなり高温の空気が流れ込んできたんです。中国大陸で雨が少なかったために、北京では40℃を超える日もありました。その熱い空気が日本にやってきたというわけです」

 とはいえ、夏本番はこれから。8月には一体どこまで気温が上がるのか憂鬱になる人もいると思うが、実は気象庁の予想では、今年は冷夏の可能性が高いという。

「今年は東太平洋の赤道付近の海水温が例年より高いエルニーニョ現象が発生する可能性が高いといわれています。エルニーニョ現象が起きると、日本では北海道や東北を中心に冷夏になりやすい。まだはっきりとは言い切れませんが、8月は昨年より涼しくなるのではないでしょうか。ただ、そのような年は一般的に梅雨が長引き、大雨による被害が出る恐れもありますので、川や斜面の近くに住んでいるかたは注意が必要です」(前出・増田氏)

 九州など西日本の日本海側の降水量が高くなることが多く、これまでにも299人の死者・行方不明者を出した「長崎大水害」(1982年7月)や、山口県や福岡県、長崎県など広い範囲が土砂災害や浸水害に見舞われ35人が亡くなった「中国・九州北部豪雨」(2009年7月)などが発生したことも。

 自然の脅威は、私たちの予想をいつも大きく超える。事前に情報をキャッチし、知識を身につけ、備える必要がある。