介護のマニフェストを比べる | グレースケアのとんち介護教室

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時代の先端にして崖っぷち、ケアのトレンドを脱力レビュー。

いよいよ総選挙。

ずらりと各党、マニフェストという名のメニューを並べて、こっちの政策の方がおいしい、あっちのは不味いと言い立てあっている。


気になる介護関連については、、、


まず民主党。注目は「介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる」。

3.年金・医療
25.介護労働者の賃金を月額4 万円引き上げる
【政策目的】
○全国どこでも、介護の必要な高齢者に良質な介護サービスを提供する。
○療養病床、グループホーム等の確保により、介護サービスの量の不足を軽減する。
【具体策】
○認定事業者に対する介護報酬を加算し、介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる。
○当面、療養病床削減計画を凍結し、必要な病床数を確保する。
【所要額】
8000億円程度


対する自民党は、「給料一人当たり月平均1.5万円の引上げに相当する金額を助成」。

2.少子高齢化への対応
「介護サービスの改善と職員の処遇改善」
地域の介護ニーズに応え、今後3年間で、特養、老健及びグループホームの約16万人分の整備を目標に取り組む。介護に携わる人材が意欲とやりがいをもってサービスを提供できるよう、介護報酬の3%アップ改定に加え、介護職員の処遇改善に努める事業主に対して職員の給料一人当たり月平均1.5万円の引上げに相当する金額を助成し、専門性と職務の重要性に応じた賃金体系の普及・定着を目指す。また、現任介護職員の研修やキャリアアップの支援、介護労働者の職場環境の改善を進める。
なお、平成24年度の介護報酬改定時においては、介護保険料の上昇を抑制しつつ、介護報酬を引き上げる。療養病床再編成については、適切に措置する。


自民党のマニフェストは、よく官僚の作文と言われるけれど、これなどはまさにお手本! 「適切な措置」って何だ。というかすでに政府で取り組んでいることだし。

昇給については、10月から「介護職員処遇改善交付金」で形になっている。ただし2年半の期限つき。その後は約束しない、これが責任力。お金ないし。


すでに昨年の春には、2万円アップ法を民主党が出したものの自民党が反対。それが今春の報酬改定3%増にもつながったが、いよいよ選挙前、両者とも大判振る舞い。

今年の3月には、さらに民主・社民・共産など野党が共同で、通称「介護労働者賃金引き上げ法案」を提出しており、今回のマニフェストはそれを踏まえたもの。公費負担による報酬アップと恒久的な賃金の引き上げを目指している。


とまれ、前回の選挙ではほとんど省みられなかった、介護職の待遇改善が、きちんと選挙の争点として出てくるようになったのはありがたい。ケアエイドの甲斐もあったというもの。


とはいえ、遅すぎ。

人材の荒野にまたすぐれた人を集め育てて豊かにしていくには、長い期間が必要。昇給は最低限必要だけど、選挙の前だけに終わらない取り組み、そして政策ばかりを当てにしない、ケアの仕組みの実践がやっぱり求められる。(例・NPOグレースケア)。



今回のマニフェスト選挙、子育て支援に景気回復、雇用支援に地域分権と、おいしそうなメニューはそろっているけれど、お勘定以上にお得なのも、かえって怪しいし。いったい何兆何千億かかることやら…。お店の仕入れは未来銀行からの借金とか。


まあどちらの食堂もメインはドンブリということで。


つづく。


介護について詳しい政策の比較は、「介護1000万人の輪・政策討論会 公開質問と政党の回答」がわかりやすいです。

介護保険の認定基準やサービス内容、報酬体系、人材確保施策などの項目で、各政党の考えが出ています。






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