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五大ニューズその③昭和47年西山事件(外務省機密漏洩事件)

  • (ナレイション)昭和47年沖縄返還にからむ機密電文を毎日新聞の西山太吉記者が外務省の審議官付女性事務官から入手し、国家公務員法違反教唆の罪で逮捕された。三宅氏は当時政治部のデスク
    • 西山記者は入手した機密電文を社会党横路孝弘議員に渡し、衆院予算委員会で佐藤内閣の責任を追及
    • そこでニューズソースが暴露され、西山氏の取材行為が問題視された
    • 西山氏が逮捕された際、三宅氏には2つの不安があった。不安①カネ。西山氏は時の佐藤総理と敵対していた大平正芳議員と蜜月の関係になっており、西山氏が大平氏から謝礼を貰い佐藤総理をハメようとしていたんではないか。西山氏の通帳まで調べ、警察による家宅捜索でも見つからなかった
    • 不安②女。西山記者と女性事務官の間に男女関係があったのではないか。三宅氏が問い詰めると、「冗談じゃない。私にだって女性を選ぶ権利がある」と西山氏。西山氏を信じ、毎日新聞は憲法上の知る権利を盾に法廷闘争に突入。毎日以外の新聞社も世論も味方だった
    • 公判が始まると「ひそかに情を通じこれを利用して―」との一文があった。これで事件は機密漏えいから男女のスキャンダルに摩り替えられ、事務官の女性は西山記者に利用されて捨てられたか弱き聖女とされ、世間の同情を集め、裁判でも西山氏の有罪が確定

 

  • (三宅氏)西山氏は記者としては優秀だったが、チームを組んで仕事をすることに関しては不得手で、個人でプレーすることに生きがいを見出していた
    • 機密電文の取り扱いについてももうちょっと相談してもらえれば、もっとやりようがあったと思うし、正直に打ち明けてくれれば、他にやりようがあったという気がする
    • 彼自身がどう思っているのか定かではないが、西山事件に対し毎日新聞がとった措置については、今日の毎日新聞が経営難に陥った原因のひとつ
    • (ナレイション)権力と闘うときはカネと女について身ぎれいにしておかなければならないと三宅氏は実感
    • 当時の人気番組「時事放談」で、政治評論家の細川隆元氏は「男女関係をもってネタを取るとは新聞記者にあるまじき行為だ」と発言し、世論が激変した。世論とは一夜で変貌する不気味なものだ
    • (三宅氏)そういう潮目の怖さを感じた。弁解がまったく通用しなくなる。男女関係とは別に沖縄密約があったのは事実なのに、世論が変貌する挙げた拳の下ろし場所がなくなる

 

  • (辛坊氏)西山事件は毎日新聞が経営難に陥った原因のひとつとはどういうことか
    • (三宅氏)ドラマ「運命の人」で販売部長が出てきていろいろいうが、ああいうようなことは実際にあった。実際、佐藤総理の地元山口では毎日新聞の販売部数が激減した
    • 前述の細川先生の批判がある前は毎日新聞に激励の電話がかかってきたが、その後は全部批判や攻撃

 

  • (宮崎氏)極秘電文のコピーが横路さんと楢崎弥之助さんに渡って国会質問されたが、どういうふうにとらえるべきなのか
    • (三宅氏)今でもちょっと話しづらいが、外務省の記者クラブで西山の部下だった男が、東大で横路と同級生だった。横路さんは親父の後を継いで政治家になり、予算委員会に配属になるが、親父の横路節雄のように安保国会で縦横無尽の活躍をしたような実績はなかったので、自分も活躍するタネがほしかった。そこで、かつての同級生にタネをよこしてくれと再三頼んでいた
    • 西山は最初は渋っていたが、沖縄密約に関する観測記事風に書いた彼の記事が国会で評判にもならないので、最終的に極秘電文のコピーを渡した
    • (辛坊氏)取材源の取得はマスコミにもあるが、政治家はネタ元をバラしちゃっていいのか
    • (筆坂氏)絶対だめ。親父は活躍した。自分も活躍するネタがほしいと野党の政治家が思うときが一番怖い。民主党でもガセネタを掴まされたことがあった(ホリエモン偽メイル)。僕も野党議員としていろいろなネタの提供を受けたし、外務省の機密費に関する銀行口座の情報が手に入ったが、結局使わなかった。どういうものであろうと預金(情報)は秘密というのが理由
    • 記事が評判にならず面白くないので、西山さんもスタンドプレイをした(記者と野党議員の功名心が情報源が特定される原因になった)
    • (勝谷氏)こういうときは権力(検察、警察、その他)を持っているほうが断然強い。佐藤総理は「西山はどこでだれと会っているのか知ってんだぞとつぶやたことがある」と三宅氏の本にはある
    • (三宅氏)佐藤さん自身(当時自由党幹事長)が吉田内閣の末期に造船疑獄(昭和29年)で逮捕されそうになるが、犬養健法相が「重要法案審議中」を理由に指揮権を発動し、逮捕を免れたことがある。彼は検察情報を重視して、政権を取った後に検事総長とたびたび会食した。通常、総理は検事総長に会わないものだが、佐藤さんはやったため、「早耳の栄作」と呼ばれた
    • たとえば、ある政治家が赤坂でハメを外して遊ぶと翌日、佐藤さんがその政治家の肩をポンポンと叩いて「ゆうべ赤坂で楽しかったかい」といった話が増幅されて国会の中を駆け巡った

 

五大ニューズその④平成5年細川護煕内閣誕生

  • 時間の都合上割愛させていただきます

 

五大ニューズその⑤平成7年・23年二つの大震災

  • 時間の都合上割愛させていただきます

 

蛇足

  • パネリストは政治家の貫禄・風圧・オーラ・威厳・威風などについて議論したが、そんな主観的なものはどうでもいい(100%非科学的なものだとは思わないが)。ミディアの報道や議員のうわさ話を聞いた人がその政治家を見たときにそう感じるだけ。要するに先入観
  • 政局話がまったく必要ないとはいわないが、政治を人や政局で判断するのではなく、もっと政策で考えるべき

 

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