平成28年4月23日(土)。午前9時、絵下山頂上広場集合。
絵下山生き物観察会は今回から、大人も対象になった。参加者は大人4人、子ども1人。講師は広島県環境保健協会のWD先生とHR先生。スタッフは安芸区役所のKSさんとFMさん。
集合早々、目の前を本命のギフチョウが通り過ぎた…らしい。
というのも、実は私、20分遅刻して、その場にいなかった。そこは最近ほとんど観察例のない頂上広場(ピークC)である。残念。
9時20分、一行に合流。歩きながら観察を始める。
WD先生は植物、HR先生は動物に詳しいとのこと。二人が共同で掘っているのは、ギフチョウの食草であるサンヨウアオイの根元。
サンヨウアオイはウマノスズグサ科。地面に地味な花が咲く。この種はアリが運ぶという話を伺う。
ガマズミの花が咲き始めた。小さな5弁の花びらが密集して可憐である。これが咲くとギフチョウの季節は終わりだという。
絵下山には2種類のガマズミがある。花はそっくりだが、葉を比べれば違いが分かるという。コバノガマズミ(左)は毛が生えていてフワッとしており、ミヤマガマズミ(右)は毛がなくて光沢がある。したがって、上の写真の花はミヤマガマズミであろう。
ヤマウルシの花。ウルシのかぶれ成分はアルコール系で揮発するので、かぶれに弱い人は近づくだけでもかぶれるとのこと。
ビロウドツリアブ。ミツバチだと思っていたが、ハチ目ではなくハエ目。
ビロウドツリアブを網で捕獲して、観察。
ギフチョウ待ちをしていると、うるさいくらい現れるキムネクマバチ。羽音が大きく大型なのでちょっとびびるが、ミツバチ科でオスには針がなく、メスにも刺されることはまれとのこと。
ギフチョウがいないので、ナミアゲハを捕獲して観察。ギフチョウの写真と見比べてみる。
タワヤモリの卵を発見。これは孵化しなかった未生卵とのこと。
タワヤモリは11府県でRDB指定、環境省は準絶滅危惧種、広島県では絶滅危惧Ⅱ類である。
孵化した殻も残っていた。1回に2個、1シーズンに2回産卵するらしい。
ヤマグルマの木を発見。
ヤマグルマ目、ヤマグルマ科、ヤマグルマ属、ヤマグルマ。「1属1種」で近い仲間がない植物。今が花期。
レプラゴケという地衣類。コケのようだが、コケではない。地衣類は動物でも植物でもなく、キノコやカビと同じ菌類である。
コマダラウスバカゲロウの幼虫。1センチ足らずで、レプラゴケを身にまとって、さらに小さなムシを待ち伏せている。
と言われても見えない。
こんな感じ。お分かりだろうか。地味な昆虫で、異様に盛り上がった。
ついでに、普通のウスバカゲロウの幼虫を探す。石の陰で乾いた地面を掘ると…
終了予定時刻の正午を過ぎて、午後0時30分解散。
ギフチョウが少なかったせいもあるが、子ども対象のときより、かなりマニアックな観察会になった。
専門の人にお話しをうかがうことで、また自然に対する興味がわいてくる。もっと知りたいと思うようになる。
WD先生、HR先生、ありがとうございました。