平成二十七年霜月 |  鉄屑詩集 -Junk Poems-

 鉄屑詩集 -Junk Poems-

   俳句とは、人間の真のブルーソングである。(by ジャック・ケルアック)

渋塗り終えた境内を猫がゆく
冬田に半月
金木犀の香り散歩の足とめる
気付けば黄昏カマドウマ跳ねた
工場冷えてきた雨音
点滅信号の明るい夜だ
外灯の光の静かな青
落陽より烏瓜の赤々
蜂来て破れ蓮揺れる
寄り添う雀らに晩秋雨
混沌の雲間より光
月の綺麗な夜冷たい
子らの蒲団から団栗
氷雨やんだら月煌々
鶏鳴いた小屋に朝日
柿に朝露の朝光る
冬の陽にケイトウ揺れて いる
芒風に白鷺発つ
冬青空のふち白い
葉落ちの柿ごし鳥の群れ