平成二十七年霜月渋塗り終えた境内を猫がゆく冬田に半月金木犀の香り散歩の足とめる気付けば黄昏カマドウマ跳ねた工場冷えてきた雨音点滅信号の明るい夜だ外灯の光の静かな青落陽より烏瓜の赤々蜂来て破れ蓮揺れる寄り添う雀らに晩秋雨混沌の雲間より光月の綺麗な夜冷たい子らの蒲団から団栗氷雨やんだら月煌々鶏鳴いた小屋に朝日柿に朝露の朝光る冬の陽にケイトウ揺れて いる芒風に白鷺発つ冬青空のふち白い葉落ちの柿ごし鳥の群れ