平成二十七年師走雲の穴ぼこから青空をのぞく妻とふたり満月ヒョロリひこばえも紅葉羽虫輝く冬陽射す月に淡い雲輝く夜霧の真ん中に俺の足音紅葉の下ゆっくり歩く散ったもみじの冬を踏む草枯れた庭の冬の陽だまり風吹いて鯉顔を出す川面の鴨の揺れる冬陽蜂逃げぬまま冬の夕暮れ帰れば山茶花のあり故郷霜の朝餉の音のあたたか渋滞まばゆく師走松葉の先に小さなつらら冬休みの天睨む烏寒の増す夜の痩せ犬吠えるゆく年の散らかったまま除夜の鐘