平成二十七年師走 |  鉄屑詩集 -Junk Poems-

 鉄屑詩集 -Junk Poems-

   俳句とは、人間の真のブルーソングである。(by ジャック・ケルアック)

雲の穴ぼこから青空をのぞく
妻とふたり満月
ヒョロリひこばえも紅葉
羽虫輝く冬陽射す
月に淡い雲輝く
夜霧の真ん中に俺の足音
紅葉の下ゆっくり歩く
散ったもみじの冬を踏む
草枯れた庭の冬の陽だまり
風吹いて鯉顔を出す
川面の鴨の揺れる冬陽
蜂逃げぬまま冬の夕暮れ
帰れば山茶花のあり故郷
霜の朝餉の音のあたたか
渋滞まばゆく師走
松葉の先に小さなつらら
冬休みの天睨む烏
寒の増す夜の痩せ犬吠える
ゆく年の散らかったまま除夜の鐘