今日は一つ便利なホームページを紹介します。

アメリカの大学の各大学の卒業率がわかります。


http://www.institutiondata.com


例えば、僕の在籍していたミネソタ大学は、4年間の平均卒業率が28%。5年で卒業する学生は48%。6年で卒業する学生は54%。ほぼ半分が6年たっても卒業できないわけです。


ちなみにハーバード大学は、それぞれ87%、96%、98%。やっぱりこういうエリート大学になると違いますが、こんなのは例外であり、これがアメリカだと思ってはいけません。


ともあれ、この卒業率の低さを説明するのに2つの見方があります。


①勉強についていくことが出来なくて(もしくはその他の理由で)、途中退学してしまう。

②他の大学へTransferしてしまう。


日本とアメリカの大学の圧倒的な違いの一つに、今2番目の理由としてあげた、学生の流動性があげられます。とくにPublicの大学、さらに言えばCommunityCollegeではその流動性は半端ではありません。僕の働いていたコミュニティカレッジでは約半分の学生が学期ごとに入れ替わっていました。


だから大学としては、いかに自分の大学の学生を引き止めるかに血眼になります。これを業界用語でRetentionというのですが、このRetention Rateをなんとかして引き上げようと、大学は様々な手を尽くすわけです。もっとも、本当に各大学ができることをやっているのか、というとそれは疑問です。様々な案は出ても、結局何も変わってない、なんてことはよくある話です。


ともあれ、いくら日本で大学間での競争が激しくなってきているといっても、それは入学者数、受験者数の確保という入り口のみでの競争であり、その後の競争はありません。アメリカは、それに加えて卒業するまでの数年間、他大学と競争するわけですから、日本の大学競争もまだまだ平和なものだといえます。日本の大学競争も、Transferの文化が根付いたら、本格的な競争になると思います。もっとも、大学の差別化が未だに大学のネームバリューによるという現状では、学生がTransferする理由もないとは思いますが・・・。