すいません、昨日は一日サボってしまいました。

でも、最初の段階で、「随時更新」といっておいたので、その言葉には反していないということでよしとしようと、自分で勝手に思ってますが、二日分という意味を込めて、今日は多少長めの文章になります。


今日の話題は“Full-time equivalent”(以下FTE)。これだけでは何のこっちゃと思う人が多いかも知れませんが、これは、公共政策レベルでも、大学レベルでも非常に重要な意味を持ちます。


FTEを日本語に訳すと、「一人分」みたいな意味になります。

これが Full-time equivalent student になると、学生一人分、Full-time equivalent Faculty になると、教授一人分、Full-time equivalent staff になると、職員一人分という意味になります。


以下がそれぞれの定義です。


FTE Student: 1年間(2セメスター)で30単位を取った学生のこと。

FTE Faculty: 大学によって定義は変わります。

FTE Staff: 週に40時間働く正規の職員のこと。


このFTE、耳慣れない言葉ですが財政政策(公共政策でも大学レベルでも)を決める上の単位として使われる基本用語の一つです。要するに一人の学生、教授、職員の平均値、といったような感じです。Head Count、 いわゆる頭数(または総数)は参考として今も用いられてますが、厳密性にかけるため、あまり用いられません。



これはどういうことかというと、例えば、二人の学生がいるとします。


一人は年間で2つしか授業を取っていなく、もう一人も年間で3科目しか履修しなかったとします。


一科目4単位として、二人の合計単位は20単位で、これはFTEだと、4単位×(2科目+3科目)÷30で約0.7人になるわけです。


しかし実際の学生数は二人です。


一方、大学からしたら、大学は一人一人を教育するためにそれなりにお金をかける訳です。


そういう経営者の視点で見た時、この二人にかける教育コストを2人分と考えると、それは1.3人分お金の無駄遣いになるわけです。


実際この二人の学生は、平均的な学生二人が履修するだけの単位をとっていないわけですから。





さて、政府からの立場から見ると、州政府からしたら、断然FTEなわけです。例えば僕の働いていたコミュニティカレッジでは、学生が7000人くらいでしたが、FTEだとそれが5000人くらいにまで減るわけです。例外もあるかもしれませんが、基本的にFTEは頭数よりも少なくなります。アメリカの州立大学は学生数によって援助金は変わってきます。FTEでみるか頭数で見るか、それこそ数十億単位で政府の支出額も変わってきてしまうわけです


しかし、これが可能なのは、単位の定義付けがしっかりとされてきたアメリカだからこそ可能だったのかもしれません・・・。





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