直感が大切 | SC神戸中国語スクール 京都校

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今、読んでいるのはこの本です。

 

『子どもの「脳」は肌にある』

 

中国語関係の私が何故?

実は柔術が関係しているのですが、昨日の子どもはことばをからだで覚えるは、この本で見たのです。

 

 

この本では「皮膚」というものにスポットを当てて色々と紹介しているのですが、次のような一節があります。

 

皮膚の判断は頼りになるもの

 

ダマシオによれば、たとえばある状況で将来を予期して行動を選択(意思決定)しなければならないとき、無数にある選択肢から一つを選ぶ作業は、知的判断がなされる前に、直感的にある程度選択肢を狭めることができないと、不可能であるという。

 

この直感は、その場の状況で感じられる気分や感情に基づくものに他ならない。だから、感情に不全のある前頭葉の損傷者は、日常生活で意思の決定に困難を示すのだ。すべての選択肢を一つ一つ理屈で判断しようとしても、とてもできるものではない。過去の経験をもとにして、あるいは初めて遭遇する状況でも、直感で判断しなければならないのだ。

 

直感で判断したことというのは、案外正しいものが多い。直感というのは、皮膚や内蔵から生み出されてくる感覚なのだと思う。感覚器官としての皮膚、あるいは内臓としての皮膚の感性を磨き、判断や意思の決定の際の、信頼に足る良き僕(しもべ)として、鍛錬するのだ。

(『子供の「脳」は肌にある』P173)

 

「皮膚は露出した脳」

 

であり、

 

皮膚からの刺激(触覚と温痛覚)は、たとえば視覚に比べて単純な経路で脳に届くというのです。

 

そしてこの皮膚感覚を鍛えるには普段と違う行動をして周りお雰囲気を敏感に察知するなどするといいといいますし、

 

まずは、「考える」のではなく「体で感じる」ことなのである。

(P173)

 

だといいます。

 

「考える」そして「(体で)感じる」。

 

これは考えるな、感じろ!燃えよドラゴンより。で紹介したブルース・リーの言葉にもありますね。

 

以前はこれを「指月の譬え」として紹介したのですが、もしかしたらブルース・リーの言いたかったのは、「皮膚感覚として感じろ」と言うことだったのかもしれません。

 

というのも、中国語や外国語を話す時の感覚というのは、頭(論理脳と言われる左脳)を使っていては間に合わなかったりいい訳が出てこなかったり、言葉そのものが出てこなかったりするのです、もちろん、しっかり考えるべき時には考えるのですが、使うときには考えるよりも直感で通訳したり、翻訳したりする方がうまくいくようなのです。

(直感は右脳だとも言われますね)

 

もちろん、直感だけに頼ると誤訳も起きるでしょうからそこは冷静に自分自身を客観視することは必要でしょうが、それでも、「皮膚感覚」というか「直感」を意識するかどうかで状況は全く変わると思います。

 

中国人にしても日本人にしても外国語をペラペラ操っているように見える人がいます。

本当に力があることもありますが、多くは「直感」や「勘」を使い、相手の言うことを「推測」していると最近よく思います。

 

そして、中国語検定やHSKなどのリスニング試験が苦手だと言う方は真面目でこの「直感」や「勘」に頼ることをよしとしない方が多いようです。

あるいは、「直感」や「勘」が出て来るにはかなりの情報量が必要だと思うのですが、インプットした情報量がまだ十分ではないのではないでしょうか。

 

ということを考えてくると、中国語を操るためには、

 

1.文法を分析する時。

→この時にはしっかりと頭を使って理解する。

 

2.「直感」や「勘」を養成する。

→身体を動かし、皮膚感覚を養うように文字情報に頼らず、イメージや筋力を使う。

 

この二つの方法のバランスをとることが大切なのではないでしょうか?

 

もっとも、中国語学習の目的が書かれたもの(テキスト)の理解なら、2.「直感」や「勘」を要請するには大量の中国語のテキストに接することで「直感」や「勘」が働くようになるでしょうが、より効果的に学習するのなら、やはり「身体」をできるだけ使う方がいいように思います。

 

日本語が母語の方は学習というと頭を使うと思うのではないでしょうか?

「露出した脳」を使う(というか敏感になる)ことが一つのコツなのかもしれないと思う、今日このごろです。