そして、(肉体の死を迎えた後)「あなたは努力され、素晴らしい人格をもつまでに自分を高めましたね」と言われることが人生の価値であると思っておられます。
「人間性を高める」
ということを表現する他の言葉として、「心を純化する」「心を美しくする」「「豊かな思いやりの心をつくる」などがあるけれど、稲盛氏は「心を高める」という表現がいちばん適切だとおもっておられます。
我 觉得 有 一种 说法 更 恰当:“让 心智 提升到 更高 的 境界”。
続いて、
人生というものをひと言でいえば、「心を高めるプロセスである」といえると思います。
といいます。
これに相当する表現は、
我们 可以 用 一句 很 贴切 的 话 形容 人生:“人生 是 提升 心智 的 过程。”
“贴切 tiēqiè”は(言葉遣いが適切である。ぴったり当てはまる。
“ 人生 是 提升 心智 的 过程 。 ”
“ Rénshēng shì tíshēng xīnzhì de guòchéng . ”
は、
「人生は心を高めるプロセスである。」
ですが、「心を高める」が“提升心智”。特に「心」が単に“心”ではなくより具体的に“心智”と表現されているのがいかにも中国語らしいと思います。
◎ 心智 xīnzhì [noema] 心思智慧
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1.头脑聪明。
2.才智;智慧。
3.指脑力,神志。
※ちなみに、文の形は;
1.テーマ+動詞+α。
2.テーマ+”是”+α。
3.テーマ+省略+α。
の2.を使っています。
今回は、
人生というものをひと言でいえば、「心を高めるプロセスである」といえると思います。
という表現の中の、「心を高めるプロセスである」だけを取り上げましたが、日本語の全体の表現をみると、日本語と中国語では表現方法が違うということがよくわかると思います。
日本語では誰が「ひと言でいう」のか言っていませんし、「いえると思う」のも誰がとはいっていませんが、中国語の翻訳を見ると、
「私たちはあるひと言を用いて人生をピッタリと当てはまるように形容することができます。(それは)人生とは心を高めるプロセスだということです。
このように中国語と日本語は「=」で結ぶことはできません。
でも、日本人が日本語の表現を中国語にするときには自分の頭で考えて日本語を中国語にしようとするのですが、もともと表現方法が違うのですから、日本語を中国語にする。というより日本語に最も近い中国語表現を探し出す。ということになるということがわかると思います。
おまけ:
今回の中国語表現の骨格は;
1.テーマ+動詞+α。
2.テーマ+”是”+α。
3.テーマ+省略+α。
の1.。
”我们 形容 人生。”
”我们 用一句话 形容 人生。”
”我们 用一句很贴切的话 形容 人生。”
”我们 可以 用一句很贴切的话 形容 人生。”
ですが、動詞中心では、
”我们 用 形容 人生。”
「私たちは用いる(何を)、そして形容する(何を)」
です。
動詞に注目し、動詞中心に文を組み立てるといいようです。