2012年(8)初夏の道南釣記・行第2日目の巻。
~見市川コルジュ越えこれが本当の山釣りだ!!~
14年振りに「龍さん」との再会を果たす。道南・磯谷川の源流を案内
してもらって以来永年文通で情報をもらっていた。情報を得て
数々の渓を訪ねて楽しい思いをさせてもらった。今回の見市川の
コルジュ帯の高巻は龍さんからの情報で平成11年7月に釣兄・栩さん
と挑戦したのたが高巻早々に「激しい羆の痕跡」に出会い敢え無く
撤退した。以来、龍さんから何時でも案内するとの連絡をうけていたのだが
やっとその好機が到来した。その釣行記を報告します。
感激の握手攻めで再会を確かめ合い、早速コルジュ帯まで約1時間の遡行を開始。
先導する龍の足は速すぎる。本流は渓を跨ぐ高さ50m程の橋とそれに続くトンネル
工事中。そして橋脚を守るためか流木止めの長大な鋼鉄柵ダムとさらに上流には
高さ5m程の長大なコンクリートダムが構築されていて昔とは渓相が一変していた。
入渓早々に羆の足跡が転々と続く、肉球がはっきり。でも前はベテラン龍登山家で
山釣り師の龍さんさん。後ろはベテラン土木技師の釣兄・栩さんなので不安は全く無し。
龍さん大山刀で切りだした杖を使って蛇行する本流を渡渉する。
遠望すると主峰の遊楽部岳(見市岳とも云う1277m)にはまだ残雪が見える。
下山時にはもっと水嵩が上がり苦労することになる。
遡行1時間20分でコルジュ帯の入り口に到達。ここで杖を捨てて装備を固める。
コルジュ帯の流程は地形図を読むと約600m。渓秋にとっては初の大高巻の挑戦だ。
取っ付きから地竹藪を直登これが応える。三分の一ほどで小さな沢見て一気に
下り沢を渡る。ここから更にキツイ地竹帯を尾根を目持して登る。さらに応える。
尾根に到達。スパッと切り立つ斜面で木枝に掴まり100mの眼下を見下ろす。
コルジュ帯はコバルトブルーの渓水を満々とたたえている。
きっと大物が潜でいるのでは。
途中、地竹藪で何度も龍さんの背中を見失う。その都度「待って・待ってを連呼」
すると藪の中から「これが本当の山釣りだ」と龍さんの叱咤激励が飛んでくる。
切り立つ尾根を真横に藪こきして、古いナタ目の入ったミズナラの大木に到達。
龍さんは要所要所に「自称ドラゴンテープ」を取り付ける。ここで三分二まで到達。
ここ2・3年は入渓者がないのか??、踏み分けも目印も全く無い。
さらに回りこむように尾根を横断して小さな急こう配の涸れ沢に出る。
滑る沢を木枝・地竹にしがみ着きながら100m近くを一気に降りる。
標高差100m、高巻距離1200m、所要時間1時間20分。名ガイドの龍さんの
おかげで無事コルジュ越え完了。
源流はコバルトブルーの渓水。晴れ・微風・気温15度・水温9度・薮蚊無し。
先陣をきって記念すべき第1投。やや細身の尺越えイワナだ。源流イワナであるが
アメマス系の大きな白斑が特徴の美形なり。
河原は広く蛇行と落差を繰り返す。深いコバルトブルーの淵には大物が
次々掛かる。尺上も次々にリリースを繰り返し釣上がる。
釣兄・栩さんに本日最大の大物。37cmなり。まだ好物の「ブナ虫」が出てないので
残念ながらやや細身だ。
次々に尺上級が掛りリリースを繰り返す。長竿で楽に釣れて楽しい。
渓秋の本日の大物はやや太めの精悍なお顔の33cmなり。
何時も先を譲ってくれて殿を務めてくれた龍さんの釣スタイルの画僧が撮れなかった。
ひっそりと、尺上2匹のみをキープしてガイドをしてくれた。.....その心遣いが嬉しい。
遡行1.5kmで二股に出る。右は優しい形相の熊追沢。左は本流に繋がる
白水沢川。本流は水量が半減し落差が小さくなる。大雪渓が次々に出現。
その名の通り渓水はやや白濁する。......この白濁の微粒子に陽が反射して
コバルトブルーの渓水を発生させているのだろう。
流れが細くなり、魚信はやや落ちるのと魚体も泣き程度と見極めて竿納める。
下山に4時間以上掛かることを考慮して深い追いはせず昼飯とする。
道南と札幌を結ぶ高速道路が延伸して4時間半で無事帰宅する。
永年の夢が龍さんのおかげで達成されて、楽しい一泊二日
の道南釣行をおえた。
引き続き(9)編で「道南釣行の余韻を楽しむ」を公開します。