しまんとジャーナル × はたも~ら Vol.9 | しまんとジャーナル by 山沖興産

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しまんとジャーナルでは四万十市で見つけた素敵だと感じたヒト・モノ・コトを中心にアップしていきます。次はアナタのところへ取材させて頂くかもしれません。

「川じゃんをみんなにとって、もっと身近な存在に。」
 

幡多地域に根差したフリーペーパー”はたも~ら”とのコラボ企画も第9段です。今回ゲストにお招きしたのは居酒屋「やじろ兵衛」の大谷泰吾(おおたに だいご)さんと一条通の「モリ時計店」森 慎二(もり しんじ)さんのおふたり。 本業と平行しながら本業以上に気合の入った音楽活動に情熱を注ぐおふたりが主催する「川じゃんロックフェスティバル」は今年で8回目を迎えます。そして、ライブハウス「SILVER」での月1イベントは今年で17年目に入ります。大谷さんは2006年には自身のバンド「swan」にてフジロックにも出演した経験もあるそう。地元しまんとで野外フェスを始めた経緯から4年目には大物アーティストであるBEGINをどうやってゲストに迎える事が出来たのか、そして離婚を決意したバンド仲間の救済劇まで盛りだくさんでお届けします。

 


▼左 モリ時計店の森 慎二さん(46)、好きな女優 木南 晴夏(きなみ はるか)

  右 やじろ兵衛の大谷 泰吾さん(43) 好きな映画 男はつらいよ

 

―音楽を始めたのは、いつからですか?


大谷: 校の時からバンド始めて、自分で曲とかも作ったりして漠然と”メジャーなるがや!”ってずっと考えながら宿毛やったり中村でライブをしてたんですけど、25~6歳の時に、SILVERのライブに誘ってもらって、オーナーから”毎月1回やらない?”って言われてもうかれこれ16年経ちますね。27歳の時に初めて音楽やるってことは、こういう事かなぁいうのが段々分かってきて現在に至ってます。まあ音楽やるいうても仕事じゃないですけどね。」

 

―そのイベントはいつやってますか?

 

大谷: 「ライブハウスSILVERのラストサンデーライブというイベントで、毎月の最終日曜日にやってますね。」

 

―個人的に好きなバンドはなんですか?

 

大谷: ビートルズとかニルヴァーナとか。ジミ・ヘンドリックスあたりですかね。」

 

―イベント始めた当時はどんな感じだったんですか。

 

大谷: 「10年以上前にSILVERで月に1回やらんかいう事で出させて貰いよった時に、最初はシルバーが企画したライブに出てギャラを貰う形でやってたんですけど、2年位やった時にライブが盛り上がって面白くなってきたけど、自分たちでやってみたいねという話になって毎月SILVERで場所を借りてお金出してやろうというのでまた再スタートしたんですよ。その頃なんか何の告知もせずに60~70人とか簡単に入ってましたね。」

 

―川じゃんロックフェスティバルを始めた経緯を教えてください。

 

大谷: 2006年に佐賀の森秀一さんて人が野外でやる音楽のお祭りをやろうや言うて、僕らも誘って貰ってOROCHIっていう野外ライブを2009年まで4年間やったんですね。すごく楽しくて充実してたんですけど、色々あったみたいで佐賀では今年から出来ないって言われて、中村で出来ないかなって試行錯誤して本番1ヶ月前から急遽準備して始めたのが”川じゃんロックフェスティバル”です。」

 

 

―実際にやってみてどうでしたか。

 

大谷: OROCHIに参加してくれてた大阪のメンバーとか高知のメンバーも誘って始めたのは良かったんですけど、2010年の最初の年にスゴイ雨で高知から参加してくれるバンドは断りました。でも、大阪組は前日から出発してたので中村入りしたんですよ。当日になって一瞬晴れ間が見えたんでやる、やらないっていう話になって僕以外で多数決取ったんですよ。結果はまさかの7対7。結局俺が決める事になって、やってみろうか!言うのが間違いの始まり(笑)

 

2時間くらいで全バンドが1~2曲ずつやって最後は大雨でテントが崩れて機材を弁償になりそうでした(笑) メチャクチャ楽しかったけど大変やなと思ってる時に、見に来てくれたお客さんが”あんたらぁは色んな人を巻き込んでやるっていうのはスゴイええ。”って言ってくれたんです。それまでフジロックをスゴイなと思ってたけど、フジロックよりも自分達でやる方がスゴイんじゃないかって思った瞬間でしたね。」

 

森: 「それからフジロック見に行かんなったけんね。」

 

大谷: 「正直行きたいのは行きたいんですけね(笑)」

 

―BEGINが”川じゃん”に参加したのは何年目ですか。

 

大谷: 「今年が8回目で4回目の時ですね。BEGINが売れてなかった時代からSILVERには来てたみたいでマスターとも交流があって、途中からは僕らもライブの手伝いとか打ち上げに参加してたんですよ。マスターが還暦を迎えてボーカルの栄昇(えいしょう)さんが何か恩返し出来ることないかって事で、川じゃんに出る事がマスターへの恩返しになるんじゃないかっていうので実現したんです。」

 

―おふたりとも家族がいて、普段のお仕事もありますよね。音楽をやる時の気持ちの切り替

   えはどうやってますか。

 

森: 川じゃん始まったら仕事どころやないけんね(笑)」

 

大谷: 森さんも僕も家族経営ですけど、2006年にフジロック出演が決まったリ、川じゃんとかやり始めてから周りの人達がすごく理解してくれて応援してくれるようになりましたね。仕事の時はバンドやってる音楽好きのオッサンですっていうのはイヤなんですよ。音楽活動は仕事にもなってなくて限られた人しか見て貰ってないかもしれんけど、すごい応援してくれよったりするいうがは、プロのミュージシャンと僕はあまり変わらんがやないかな思いよって。ただ、そこに甘えずにちゃんと練習とか準備して応援してくれる人もおるし、これからもやって行きたいと思ってます。」

 

 

―バンドって一人じゃ出来ないから、色んなことがありますよね。

 

森: 「メンバーで知らん間におらんなる子とかおりますよね(笑) もっとやろうぜとか本人がおらんとこでは言うけど、引き止めたりもせんし、何らかの理由はあるがやろうし。」

 

大谷: ライブやりたくてバンド続けたいんで、それやったら嫁が”離婚しよう”って言うんで、離婚決めましたんで、ライブこれからもよろしくお願いします!ってなるヒトとかね。」

 

大谷&森: 「おいおい、ちょっと待て!って。(笑)」

 

大谷: そんなに背負えんぞって言うね(笑) ちょっと考えろうや言うて。好きな音楽やるにしても、身近な家族が応援してくれるように出来ない人間の作る音楽を聞きたないろって俺は思うし。そこまでするがやったら東京行ってメジャーのミュージシャンになるとか、それで食って行きます言うなら分かるけど、この田舎で月1ライブと年1の野外フェスのために子供もおるに離婚しますって。」

 

森: 子供も2人目出来たばっかりやに(笑)」

 

―その人にはそれくらいバンド活動に賭けるものがあったんですね(笑)

 

大谷: 「とりあえずバンド活動は1年くらい辞めて、家族をゆっくり説得したらしいです。川じゃんも間近やったけど、それも諦めて。それで次の年にはちゃんと復活できた。そのライブを見た時は泣けたですね。あー良かったって。一つなんか助けた気分やったね。ひとつ家族守ったみたいな(笑)」

 

―ライブには奥さん、子供さんも来てくれてましたか。

 

森: 「ライブ終わった後の片付けも、子供背負うて来ちょったね。」

 

 

―音楽好きでバンドやってる若い子たちは今でも結構いるんですか。

 

森: 「いますよ。高校生の音楽やってる子達にもっと披露する場を提供したいんですよね。昔はKHKのイベントとかあったけど今は少ないもんね。人前でやらしてあげると、けっこう息吐いてやるもんね、子供たちは。川じゃんでも子供に楽器持たして、バンド体験とかやってます。川じゃんも、もち投げまでやるしね。」

 

大谷: 「ビギンが来た時は、ビギンと餅投げの時間の問い合わせだけは凄かった(笑)」

 

森:  専用携帯電話、もち投げの問い合わせばっかり(笑)」

 

―それでは最後に次回のイベントの告知を教えて頂けますか。

 

大谷: 「12月のラストサンデーライブは25日なんで、ぜひカップルで来て欲しいですね。 1月29日はビギンのバックでやりよった三線と一五一会の迎里 計(むかいざと けい)君がゲストで来てくれます、この記事を読んで今までシルバーに来た事ないって人にも遊びに来て貰いたいですね。」

 

 

 

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※この記事は1/15(日)発刊予定の「はたも~らVol.44」にも掲載予定です、是非ご覧ください。