二度目の大往生 | 山中伊知郎の書評ブログ

二度目の大往生

二度目の大往生 (岩波新書)/岩波書店
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 どうも、本を読むのがスムーズに進まない日々が続いている。

 

 別にそんなに無気力になっているわけでもないのに、なぜか本を読もうとしても集中しないのだ。それで、以前読んだ、出来るだけ読みやすい本をまた手にして読んでみる。


 選んだのはこれ。


 おかしなもんで、読むたびに心に引っかかる部分が違っていて、以前は「死」や「宗教」について触れている部分が強烈だったのが、今は「病気」。しかも、冒頭の、著者が総入れ歯になった話は、とても他人ごととは思えなかった。私も57歳にして、早くも「総入れ歯、一歩手前」だからな。


「義眼、義肢、義足、みんな障害者手帳が貰えるのに、義歯にはなぜ貰えないんだ」


 の一言は、激しく同意。世の中にある大半の料理を満足に食べられなくなる不便さは、「障害者手帳」に値するんじゃないか、と思えるくらいだ。しかも、ちゃんと噛みきれないから、きっといずれは何らかの体のトラブルのもとになるだろうしな。


 正直、この一言を再発見しただけでも、また読んだ価値はあるかも。