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2016-06-25 12:27:24

健さんと文太

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健さんと文太 映画プロデューサーの仕事論 (光文社新書)/光文社
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 ちょうど高倉健と菅原文太が相次いで亡くなった時期に出た本なのだろう。

 『日本侠客伝』『仁義なき戦い』などのプロデューサーとして、2人とは非常に深い因縁のある著者が回顧している。


 だからこそ、ある程度の内幕話や本音も出てくる。高倉健を主役にした映画を作ろうとしたら二回断られた話や、健さん、文太を使いたかったら、それを育てた俊藤プロデューサーの承諾が必要で、いわば会社の中に俊藤プロダクションがあるような形だった話。


 また健さんは、とても自分では制御できない難物であり、プロデューサーとして「組む」気にはなれなかった話。東映社長だった岡田茂は、制御のために、俳優がごねたりすると「首をすげ替えるぞ」と脅して黙らせたらしい。

 どんどん自分の美学に従って自分を磨き上げていく健さんと、放っておくとどんどん下品に走っていく文太の比較もなかなか興味深かった。


 もっとも、この二人のことは前半部分。後半は、プロデューサーとしての自らの姿勢を、数々の俳優や監督との交流を通して書いている。

 早撮りで知られた渡辺邦男監督なら予算の一割で一本を仕上げ、中島貞夫なら八割、深作欣二は内緒で二割増しにしないと完成しない、なんてエピソードは、プロデューサーでなくては出てこない。


 最後の方では、今の日本のプロデューサーには「山っ気」が足りない、と語り、また、これから映画化を手掛けてみたい原作について語り、すでに御年80歳を過ぎていても、いかにも「元気のいいおじいさん」て感じが読んでいても伝わってくる。


 おじいちゃん、おばあちゃんは元気だなぁ。


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2016-06-22 23:17:03

甦る昭和脇役名画館

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甦る昭和脇役名画館/講談社
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 著者が東大出のフランス文学者で、冒頭、いきなり70年安保前後の左翼活動の挫折感から、映画館に入りびたり、いわゆるB級C級のプログラム・ピクチャーを見まくった話が出てくる。

 これ読んで、

「あー、団塊世代の左翼インテリの自意識過剰話を聞かされちゃたまらんな」

 と拒否感を持った。


 だが、中身を読んでみたら、これは誤解。というか、この人、70年代以前にも、ずっと新東宝のエログロナンセンス映画を見まくっていた人だったんだな。家のそばに「杉田東洋」なる新東宝の三番館があって、

酒屋の息子でポスターを店に貼っていた関係で、杉田東洋の無料招待券は子供のころから手に入っていたらしい。だから、くだらねー映画を小学生から日常的に見ていたのだ。


 なるほど、そこまでのキャリアがあるなら信用できる。

 東映ヤクザ映画、日活ニュー・アクション、日活ロマンポルノなどについても語りつつ、どうも一番思い入れが深そうなのが新東宝なのも、すぐにわかった。

 インテリがカッコつけて、「オレはプログラム・ピクチャーが好き」とか言ってるのとは違うのだ。


 だから、取り上げられる脇役でも荒木一郎、岸田森、佐々木孝丸などと雑多に並びつつ、「新東宝のスター」であった天知茂あたりに対する分析は、特に念入りだ。

 のちに主役スターとしても活躍した天知を「脇役」に分類するのをあらかじめ謝った上で、新東宝映画の魅力は、主役よりも脇、ことに悪役にあった、と言い切る。その悪役でも、堂々と悪事を働く「実悪」と、二枚目でジワジワとワナにはめていく「色悪」があり、新東宝における「実悪」の代表が丹波哲郎で、「色悪」が天知茂だという。で、善玉の宇津井健や高島忠夫などにはない「妖しい魅力」を醸し出していたらしい。


 もう、こういう文章読んだだけで、新東宝映画が見たくなる。


 中でも私が気に入ったのが、新東宝を代表する「グラマー女優」三原葉子の話。

 新東宝時代から強烈なスケベ・オーラを出す女優として一部熱狂的なファンを持っていた彼女、実は70年代には、「東映ポルノ」と呼ばれる作品群に出演していた。


 著者は、この東映ポルノ・シリーズを「100%が駄作で、見るに堪える作品が一本もないプログラム・ピクチャー」と断言している。日活ロマンポルノについては、そのうちの何本かは芸術作品として認められているし、ピンク映画でも「傑作」はある。だが、東映ポルノにはただの一作もなかった、と。

 

 すごいですよ、「東映ポルノ」。『東京ふんどし芸者』『エロ将軍と二十一人の愛妾』『セックス喜劇 鼻血ブ―』『温泉すっぽん芸者』『現代ポルノ伝 先天性淫婦』などなど・・・。タイトル出すだけで、「なんじゃこりゃ」だ。

 そして、それらのすべてに、40歳前後だった三原葉子は、一貫して「あれが好きで好きでたまらない大年増」役で出演し、スケベ・オーラを発しまくっていたのだ。著者はなんとこの三原葉子目当てに、東映ポルノを追い続けていたらしい。


 ひとごとではない。正直、三原葉子目当てではなかったが、70年代といえば私も大学時代で、この東映ポルノ・シリーズは、少なくともオンタイムで全体の半分くらいは見てる。三原葉子についても、「あー、またあのオバサン、出てるよ」と呆れた思い出がある。ホント、いつも、男だろうが女だろうが見境なくちょっかい出すようなスケベ役ばっかりやってた。

 新東宝時代を知ってる人なら、その感慨はいや増すだろうな。


 他にも、この本に登場する俳優の中でもほぼ唯一現役で活躍している渡瀬恒彦に対する記述など、

説得力のある箇所も多かったものの、やっぱり心に残るのは三原葉子だな。引退するまで、「生涯一エロ女優」を貫いた姿勢が清々しい。

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2016-06-19 00:22:01

動画『ンダモシタン小林』から辿りついた小林市の美と元氣を創る「匠」たち

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動画『ンダモシタン小林』から辿りついた小林市の美と元氣を創る「匠」たち/山中企画
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 うっかり6月上旬に出していた山中企画の新刊を、ここで告知してなかった。で、書いておく。


宮崎県小林市と言えば、フランス人が登場しての町のPR動画『ンダモシタン小林』が、去年夏、凄まじい反響を呼んで、一躍、「動画による町おこし」の代名詞的な場所になってい.る。

 あれは、ずっとフランス語のナレーションだと思わせておいて、実はすべて地元の西諸弁だった、という驚きの内容。...


それに触発されて、いったい小林ってどんなところで、どんな人たちがいるのかを取材に行った結果できた本が、これだ。2度にわたって現地に行き、その2度目は熊本地震のあとだったが、鹿児島から小林へのルートは、平常通りバスも動いていた。


 テーマとしては、『ンダモシタン小林』が誕生する経緯とともに、小林市在住の、特産品や体にいい商品を作っている「匠」、美しいものにこだわっている「匠」に焦点を当てた。
 日本全国のイナカの市町村が「縮小」に向かっている中、それはそれでいいじゃないか、と開き直りつつ、オモシロいことをやっている町の様子をぜひ知ってもらいたいと思う。







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2016-06-18 14:05:26

軍需物資から見た戦国合戦

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軍需物資から見た戦国合戦 (新書y)/洋泉社
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 戦国時代の合戦について書かれた本ながら、これは視点が普通のモノとはだいぶ違う。

 主役は信長でも秀吉でもなく、木材や竹などだ。

 要するに、武器や、建設用資材として使われたそれらのものが、どういう場所から、どのようにして

伐採され、どう使われたか、という角度から合戦を分析しているわけ。


 資料としては、主に小田原征伐でほろんだ北条氏のものが使われているために、関東から伊豆あたり

が舞台になっているエビソードが多い。


 それに建設資材だけでなく、薪や炭としても必要な木材の話が多いのは当然として、竹の需要が非常に高かったのは驚かされる。竹を組んで柵にしたり、簀子を編んだり、今では想像がつかないくらいいろんな用途があったのだな。草もまた牛馬の飼料用としてだけでなく、堀の埋め立て用など、使い道は多岐にわたっていたらしい。埋め立て用なら土砂でいいだろう、と思いがちだが、土砂は重くなり過ぎて、輸送が不便だったようだ。そりゃ現在でも、土砂運ぶの、トラック使ってるものな。


 戦いのためにどれだけ環境が破壊されて「ハゲ山」が増えたか、また戦国大名が資材確保のために山を大切にし、植林にも力を注いできたかについても触れられている。


 細かい記述については、やや専門的すぎて頭に入りずらかったものの、電車で移動中に読んでいて飽きない程度の興味はひかれた。 

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2016-06-11 01:38:37

歴史を「本当に」動かした戦国武将

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歴史を「本当に」動かした戦国武将 (小学館101新書)/小学館
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 著者は、NHKのニュースキャスターや歴史番組などで知られた松平定知。

 だからって、別に特に期待したり、最初から期待してなかったりってこともなかったが、正直などころ、ビジネスを戦国武将にたとえるのが好きな「オッサン」向け内容で、あんまり新味はなかった。


 だいたい目次で、その匂いはしたな。

「石田三成に学ぶ「構想実行力」」とか「本多忠勝に学ぶ「市場開拓力」」とか。そのあげく、「片倉小十郎に学ぶ「プレゼンテーション力」」なんてのまであった。


 トップではなく、「ナンバーツー」といわれる人たちを中心に据え、本当はナンバーワンになりたかった人から、あくまでナンバーツーに徹した人まで、そのポジション取りについて語る、といった視点はわるくはない。


 ただ、無理して現代のビジネス社会にあてはめたりするから、読者に媚びているようで、どうも読んでてシラケるのだ。

 歴史はただ歴史として楽しんだ方がいい。


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