こんにちは。

一恵@リアルタイムです。

 

 江戸川乱歩の描くところの一風変わった犯罪者。

いくつもの変名を使い分け、何人もの恋人を持ち、世の中の裏側に目を向けて人の弱みにつけいって、冷酷非情に大金をゆする影男。

 

 影男は上流階級の奥様たちが怪しい楽しみに耽るという秘密結社の話を聞きつけると、そこに参加するはずの奥さんのひとりに変装してその会合に参加する。

 

 変装の名人なので、身長だって少々の高さなら調節してしまう。そしてその奥さんとして振舞うわけです。女装が出てくるのはそこだけでしたが、話が面白いので引き込まれます。

 

 女装といえば、確か明智小五郎の助手の小林少年がよく女装してたはず。これはまたいずれ見つけて読みましょう。

 

 さて、この話で明智小五郎が登場するのは終わりのほうで、そのタイトル通り影男と彼にまつわるとびきりの異常犯罪者たちが主人公です。

 

 この世の裏を探し回って恐喝を常習とする影男のほかに、殺人請負会社の社長と、地底パノラマ王国を築いてそれを営業とする怪人物。

 

 この作品ができたのはなんとわたしが生まれた年で、50数年前ですが、奇抜な発想で飽きさせません。地底パノラマ王国ってちょっとディズニーのアトラクションっぽいかも。

 

影男 (創元推理文庫)/江戸川 乱歩
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